ニューヨークの遊び方

通路の再考

前回の続き。これは、結構、中々専門家ならではの指摘があって面白いです。『通路』のお話。

ケリー氏は、食料品店が店舗設計の考え方に挑戦することを望んでいる分野のひとつに、通路がある。1990年代から2000年代にかけての食料品店は、品揃えと店舗面積の拡大に伴い、通路を大きく広くしてきた、とケリー氏は言う。
もし食料品店が通路を車道に例えるなら、売上を伸ばすためには、広ければ広いほどいいというわけではない、とケリー氏は言う。
「道路や大通りが広ければ、車は速く走る。狭い道路では、車はゆっくり走る。「高速道路や脇道は必要だが、通路は脇道であるべきだ。そのため、顧客は買い物をすればするほど、より多くのものを見るようになり、より多くのことを試し、カゴのサイズを大きくする傾向がある。アルコーブやルーム、つまり店内に新しいショッピングの領域があるという認識は、客の足を鈍らせることもある、とケリー氏は言う。
「客が素早く買い物をすると、買う量は減ります。

→ドン・キホーテが成功している理由の1つも通路の使い方とかありそう。

通路の再考

通路のデザインや棚の高さは、生物学的、身体的、感情的、経済的、物流的に消費者に影響を与えるとケリー氏は言う。
「私たち人間は、高くて狭くて長い空間が好きではない。家の中の廊下も好きではありません。私たちは部屋の中にいたいのです。路地は好きではない。路地裏は危険です」とケリーは言う。

何十年もの間、通路ごとのデザインに依存してきたこの業界では、このアイデアは冒涜のように思えるかもしれない。しかし、ケリーは明確だ。彼は、食料品店が "可能な限り、可能な場所で "通路をなくすことを望んでいる。
壁がなく、柱や異なる素材のようなデザイン要素の変化によって区切られた指定された空間である。店内のセクションを変えることで、買い物客に回遊性を促し、現在の店舗デザインでは敬遠されがちな、あるエリアを2回以上通過するよう促すことができる。

ケリー氏は、食料品の買い物を映画になぞらえ、小売業者は、消費者が映画の場面転換のように新しいエリアに入ったと感じるような「しきい値体験」を作り出すことができると述べた。

消費者は2種類のピクルスがあれば十分なのに、なぜ10種類のピクルスが必要なのか？

• How grocers can tap shopper psychology to spruce up store designs

食料品店が買い物客の心理を利用して店舗デザインを改善する方法

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食料品店が買い物客の心理を利用して店舗デザインを改善する方法

『食料品店が買い物客の心理を利用してただを改善する方法』と題して、なかなか興味深い記事を発見。ただし、よく記事を読んでいくと、そんなに驚くようなことは書いてありません。ものすごく当たり前のことを、改めてまとめた感じ。

• How grocers can tap shopper psychology to spruce up store designs

食料品店が買い物客の心理を利用して店舗デザインを改善する方法

まずは、「ニッチ化」、「差別化」、他社にはない「独自の魅力」の重要性について。

小規模で地域密着型の食料品チェーンは、大規模なオムニチャネルの競合に勝てるとは思えない。

クローガーとアルバートソンズが合併し、ウォルマートやアマゾンのような巨大小売企業の競争相手に加わろうとしている今、食料品店はライバルに打ち勝つために「ニッチ化」を受け入れる必要がある、と店舗デザイン会社シューク・ケリーの共同設立者兼代表のケビン・ケリーは言う。

「中道的な食料品店は、百貨店が置かれているのと同じような立場にあると思います。そして今、私たちは極端なポジションの小売店を求めているのです」とケリーは言う。

これ、今更、何を言っているんだって話で、別に昔から「ニッチ化」、「差別化」、他社にはない「独自の魅力」を強めることは必要です。

より厳選された品揃えを持つ小規模店舗の提唱者であるケリー氏は、すでに地域の食料品店と協力し、体験型ショッピング、ユニークな品揃え、店内での食事などで差別化を図り、買い物客を獲得できるよう支援している。八百屋が品揃えや店舗デザインをユニークなものにする方法を模索する中、ケリー氏は、小規模チェーンや地域チェーンが、買い物客の心理や小売劇場を考慮する方法を強調した。

以下も、よく聞く話ですが、あえてそのままあげておきます。

旧態依然とした考え方からの脱却
食料品店は、消費者を惹きつけるために低価格に重点を置いている。インフレ圧力やSNAPの財源変更によって買い物客の財布が圧迫され、低価格がより重視されるようになっても、ケリー氏は、価格がすべての食料品店が目指す「共通の次元」となる未来を警戒している。
多くの食料品店は変化を恐れている、とケリーは言う。しかし、店舗でさまざまな物語や付加価値の機会を見つけるためには、長年の伝統を疑う必要がある。

「ケリー氏は、ホールフーズ・マーケットが早くから、"モンサントよりもよく知っている母なる大地 "というペルソナを中心にブランドを構築してきたことを指摘した。

→だから、プライベート・ブランドとか大事。

続きます。

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この春、ハローキティカフェのトラックが地元モールを賑わせた

前回の続き。

• 4 Strategies Retailers are Using to Drive Traffic to Their Venues

小売店が店舗への来店を促進する4つの戦略

要するに、人々が関心を持つトレンドに乗って、人々が実際に訪れたくなるようなイベントや、何かしらの展示、仕掛けが重要

…と言うお話ですが、その1例として、キティちゃんのカフェ・トラックの例が取り上げられてます。

ティーン・ヴォーグ誌が2023年春最大のファッション・トレンドと賞賛したハローキティが今年カムバックした。ハローキティの有名なカフェ・トラックは、毎週土曜日にさまざまなモールの近くに停車し、信じられないほどの人だかりを作る。この象徴的なキャラクターの熱狂的なファンは、限定販売されるブランドのお菓子やグッズを手に入れるために、（文字通り）何時間も列に並ぶ。また、トラックはショッピングセンターの外に設置されているため、熱心な客の多くはモールの店舗や飲食店にも立ち寄る。

アリゾナ州のスコッツデール・クォーターとバージニア・ビーチのリンヘブン・モールという、国内の異なる地域にある2つのショッピング・センターへの足回りを見てみると、この特別イベントがモールの来店動向に与える影響がよくわかる。トラックは2023年3月11日にヴァージニアビーチに立ち寄ったが、モールは1年で最も混雑した日となり、訪問者数は2023年上半期の1日平均と比較して164.8％、通常の土曜日と比較して38.8％増加した（このモールは、他の多くのモールと同様に土曜日が最も混雑する）。スコッツデール・クォーターも同様の傾向を示した。

ココで取り上げられているトラックと同じものかどうか分かりませんが、2010年に、サンリオの50周年記念でニューヨークにやってきたトラックの写真を、以下、ご参考まで。

• アメリカ横断中のサンリオ50周年記念の移動式ショップがゴールのニューヨークに到着!!!

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小売店が店舗への来店を促進する4つの戦略 バービー人形 効果

インターネット時代、なんでもネットで買えてしまう今、どうやって実店舗により多くのお客さんを呼び寄せるかは、小売業界の大きな課題の1つ。そんなわけで、こんなニュースが出てます。

• 4 Strategies Retailers are Using to Drive Traffic to Their Venues

小売店が店舗への来店を促進する4つの戦略

いろいろ書いてありますが、要するに、人々が関心を持つトレンドに乗って、人々が実際に訪れたくなるようなイベントや、何かしらの展示、仕掛けが重要と言うお話です。

で、その一例として、今年の夏ヒットした映画のバービーの人気に便乗が、以下の通り:

今年の夏はもちろんバービー一色で、世界中がホットなピンクとパステルで溢れかえっていた。各ブランドは映画にインスパイアされた商品（バービーコア・アイスクリームなど）を買い求め、バービーをテーマにしたポップアップやイベントを全国各地で開催した。

ワシントンD.C.のビアガーデン・ワンダー・ガーテンは、2023年7月20日から7月30日にかけて、大人のバービーファンのための無料パーティーを開催し、バービーの流行に乗った。熱狂的なファンは、ドレスアップしてバービーQ、マリブ・プール・パーティ、ケンに捧げる特別な夜、バービー・ペイント・アンド・シップを楽しむことができ、興奮した客は自分の足で投票した。このイベントは、熱心なバービーファンが集い、仲間たちと交流する場を提供し、一時的にワンダーガーテンをバービーに関するあらゆることができる場所として位置づけられた。

そして、人気会場への1週間の訪問者数（4月初旬の基準値と比較）を見ると、この戦略がうまくいったことがわかる： 7月17日の週からトラフィックが急増し始め、7月24日の週にはピークに達した。

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トイザらス、米国に最大24の旗艦店をオープン

かつて、タイムズ・スクエアのど真ん中に巨大な店舗を出していたおもちゃ屋さん、トイザらス。数十年の事業の後、50億ドルの負債を抱えて経営が傾。同社は当初、2017年に破産を申請し、2018年に多くの店舗を清算しました。

その後、経営再建へ向けて、新会社が作られたり、なんやかんやあったようですが、いよいよ本格的に全国的な大リニューアルに向けて巻き返しを図っているようです。

• Toys R Us to open up to 24 US flagship stores

トイザらス、米国に最大24の旗艦店をオープン

記事によると、

トイザらスの親会社であるWHP Global社は金曜日、Go Retail Group社（Go Retail Group は、米国最大の個人経営の玩具・ゲーム小売企業）と提携し、来年から米国内に最大24店舗のトイザらスの旗艦店をオープンすることを発表した。

Go Retail GroupのCEOであるGideon Schlessinger氏は声明の中で、トイザらスの象徴的なブランドであるトイザらスに対し、「価値ある実店舗でのロジスティクスと卓越したオペレーション」を提供することで、トイザらスの店舗基盤の拡大を可能にすると述べた。

WHPグローバルはまた、空港やクルーズ船に店舗をオープンすることで、旅行小売分野への進出を計画していると述べた。WHPは今年初め、ダラス・フォートワース国際空港のターミナルAに初の空港店をオープンする計画を発表した。この店舗は、旅行小売業者のデューティーフリー・アメリカズが運営する予定で、ホリデーシーズンを控えた11月初旬にオープンする予定だ。

あと、気になったポイントとしては、そこそこアメリカのおもちゃ屋さんとしてブランド価値の高かったトイザらスの利点を生かし、アメリカ国内だけではなく、大型店舗をドーンと出すのではなく、デパート、空港、クルーズ船など様々な形で、グローバルに展開を強めてると言う戦略。

「WHPグローバルのCEOであるYehuda Shmidman氏は、「トイザらスを買収して以来、米国、英国、インド、ドバイ、メキシコに出店し、世界的な小売店舗数を50％以上増やしました。「2024年に向けて、メイシーズ、旗艦店、空港、クルーズ船内など、あらゆる場所でトイザらスをご利用いただけるようになることを楽しみにしています。

WHPグローバルによると、トイザらス・ブランドは全世界で年間20億ドルの小売売上高をあげている…とのこと。

やっぱり、ブランド価値って、重要なんですねー。

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