ニューヨークとアートっていうか、アメリカ社会におけるアートへの考え方の話になってくるのですが、事の発端は2004年。ハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review:以下、HBR)が発表したその年の20個の革新的なアイデア(Breakthrough Ideas for 2004)の1つに、こんな論文がありました。
タイトルは、"The MFA is the New MBA"(MFAが新しいMBAだ)。MFAとは、美術学修士号(Master of Fine Arts)のこと。MBAは皆さんご存知の通り、経営管理学修士号です。
なお、上のHBRのサマリーでは、この『価値や意味を生み出す』っていう一番重要な部分が抜けてて、"beautiful and emotional compelling"っていうアートとかMFA取得者のごくごく表面的な上辺の特徴しか書いてませんが、絵が上手く描けるとか、美的センスがどうこうとか、そういうレベルの話じゃなくて、『新しい価値や意味を生み出す能力、才能』の重要性を指摘しているものだと思います。
そして、今年、2008年4月のニューヨーク・タイムズでも、Pinkさんのインタビュー記事が掲載されました。タイトルは、"Let Computers Compute. It’s the Age of the Right Brain"(コンピューターに計算させましょう。今は右脳の時代です)。こちらはネットで記事を読めるので、ご興味のある方はどうぞ。
この記事の冒頭は、こんなフレーズではじまってます。
“Imagination is more important than knowledge.”(創造力は知識よりも重要です)
"The MFA is the New MBA"で調べてみると、いっぱい情報が出てきます。アーティストやクリエーターの表面的なスキルにしか触れてない浅い内容のものも結構多め。でも、いろんな情報やら条件などを統合して「新しい価値や意味」を生み出す能力が重要になるということじゃないかな、と思います・・・。こないだのオバマさんのスピーチや、マケインさんのスピーチとか見ても、彼らにはその能力がかなりある気がします。多分、リーダーシップやグランド・デザインする能力も含まれるのでしょうね。そういう能力が重要になってくる、MBAを取得するよりも重要になってくる?!ってなると、これからどういう世の中になるのか、ちょっと楽しみです。