今年9月、とてもユニークな社会福祉のアイデアとご紹介した「
貧困層の人々が"良い行動"をした場合にお金を与える」プログラムの続報です。NY市公式サイト上にて、12月17日付のプレスリリースが掲載されてました。
前回、
この貧困者救済プログラムには賛否両論・・・とレポートしたのですが、ついに実現することになったんですね。
プレスリリースによると、米国初の貧困層救済のための資金援助を行うこのプログラム(OPPORTUNITY NYCと名付けられてます)への最初の給付金の支払いが開始される、とのこと。
初回の規模は、1,400世帯に総額74万ドル。1世帯につき平均$524。
前回レポートした通り、授業に出席するとか職業訓練を受けるといったいわゆる『良い行動』を続けると、給付金を継続的に受け取れる仕組み(インセンティブ制)になってます。
1年間の受給額は1世帯あたり平均4,000~6,000ドル。条件を満たせば、2~3年間に渡って受給可能。そして、
財源は全額が企業や個人によるファンドからの寄付金!ニューヨーク市の予算(=市民の納めた税金)は一切使わないのですよ。スゴイ!素晴らしい!っていうか、よくそんなもの実現できるよねー。コレって、やっぱりブルーンバーグさんのリーダーシップの影響?
社会貢献活動でも長年リーダーシップを発揮しているブルーンバーグさん。雑誌、BusinessWeek Magazineの昨年の特集記事によると、米国内で最も社会貢献活動に力を入れている人物ランキングの13位なんだとか。
でも、なんでブルンバーグさんは、そこまで社会貢献活動に力を入れるのでしょう?お金持ちだから?
いえいえ、彼はまだ社会人になったばかりの頃から、あるいはもっと以前の学生時代から、様々な社会貢献活動を続けてる人なんです。
雑誌、New York Contribute(2006年9-10月号)に掲載されてたブルーンバーグさんの生い立ちから振り返る特集記事(
Mayor Donor)を発見。それによると、もともとそんなに裕福ではないご家庭の出身で、経理の仕事をしていたお父さんの収入は一番儲かった年でも年収1万1千ドル程度。
4人家族の食卓に出る食事は、缶詰の豆を茹でただけとか(Peas were Del Monte out of a can, cooked in the sauce and the water that it came in.)、そんな平凡な家庭(むしろ貧しい?)。それでも、お父さんは地域コミュニティのための慈善活動や寄付などを行っていました。
寄付金の送り先がアフリカ系アメリカ人団体(the NAACP)だったことも・・・。子どもだったブルーンバーグさんが「僕たちはアフリカ系アメリカ人じゃないのに(≒というよりうちも豊かじゃないけど)、どうしてこの団体に寄付するの?」と聞くと、
「今一番助けが必要だという人を手助けしたいだけさ。そこに人種の違いなんてないんだよ・・・。」と笑顔のお父さん。なんという志の高さ!そして、なんという父と子の会話なのでしょう。彼が一代でビジネスを大成功させ、世界有数の大都市の市長になった秘訣は、本気で世のため、人のためになろうっていう信念なのかもしれません。
〔ご参考情報〕
・
Mike Bloomberg(公式サイト)
まさに、筋金入りのPhilanthoropistなブルーンバーグさん。こんな市長さんがいる街は世界中探しても他にないと思います。生まれ育ったご家庭での経験に加えて、最初の職場(ソロモン・ブラザーズ)のあったウォール・ストリートで出会った経営者たちの影響もあるんだそうです。いわく、尊敬できる人々は、社会貢献活動を率先して行ってたんだとか。市長を退任する2009年以降は更に本腰を入れて社会貢献活動に取り組むそうです。まだまだ彼の物語は続くんですね。
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