アッパーイースト・サイドのイーストリバー沿いにある公園、『カール・シュルツ・パーク』(Carl Schurz Park)。ニューヨークに住んでても初めて名前を聞いたという方も多いかも。なぜなら、この公園があるのはアッパーイースト・サイドの東端。住宅街の奥の奥。1 St Ave.の先にあるYork Ave.よりも更に東にあるEast End Ave.沿い。
場所が場所だし、近隣住民のためのマイナーな公園なのかな?なんて思って行ってみたら大間違い。この公園、ニューヨークにある公園の中でもかなりクオリティが高い名園です。
平地の続くマンハッタンでは珍しく、園内には程よい起伏があって階段や橋などもかかる複雑な構造。芝生スペースの配置も絶妙で、まるでセントラルパーク内の名所みたい。東端にはイーストリバーを見張らせる広々した遊歩道。ドッグランやプレイグランドも素晴らしいです。
でも、こんな立地なのになんで?ちょっと疑問に感じたので調べてみたら、面白い事実が分かりました。このCarl Schurz Parkを維持管理してるのはニューヨーク市の公園管理局(New York City Department of Parks and Recreation)だけじゃないんです。むしろ、NY市よりも地域住民による団体がリーダーシップをとってるみたい。名前は、The Carl Schurz Park Association。なんと、1970年代に設立されたニューヨーク最古の地域住民による公園管理団体なんですって!
公園そのものは別に私有地とかじゃありません。他の公園と同じ普通の公園で、当然、ニューヨーク市の公園管理局の管理下です。普通こういう状況だったら、公園の管理が不十分だと感じてもニューヨーク市に苦情を言っておしまいになりそうですけど、ここの住民の方々の発想は根本的に違うんですね。やってくれないなら自分達でやろうってわけ。しかも、メンバーに加入している近所の人たちの数は1,200名以上もいるんですって。うーん、スゴイです。
市民の憩いの場っていう雰囲気たっぷり
追記(11/4):コメントに寄せられた情報では、本当に民間の方が管理団体の理事を務めているそうで(しかも女性!)、「夜でも安全」なのだそうです。
〔ご参考URL〕
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The Carl Schurz Park Association(公式サイト):季節に応じて頻繁にイベントも行われているようです。クリスマスには公園内にイルミネーションも設置される予定。
昨日のリス君に会った公園はこの公園です。市や行政に頼るだけではなく、地域の人たちが自らの手でより良いコミュニティを築いていく・・・。前にGrand Central Partnershipのお話のときも書きましたが、今のニューヨークには本当にこういう事例が山ほどあります。でも、ここの管理団体もできてからまだ30年。決して最初からあったんじゃなくて、社会が成熟するに従って市民の意識も成長して、こういう活動が生まれていくのかもしれません。
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