
時々、街角で見かける移動式ビジター・インフォーメーション・センター。小さなカートには美術館やミュージカルなどのパンフレットが綺麗に配置され、ついつい立ち寄りたくなってしまいます。地図つきの無料ガイド雑誌なども置いてあるので、ちょっと道を確認したいときにも便利。実際、立ち寄る人も結構いて、このカートのお姉さんも気軽に応じてくれますよ。

ところで、このカート、
ニューヨーク市観光局(New York City & Company)が出しているものだとずっと思ってたんですけど、そうじゃなかったんですね。カートをよ~く見てみると、"Grand Central Partnership"って書いてあります。

聞き覚えのある名前だけど、何だったっけ?と思ってお姉さんに聞いてみると、"
Grand Central Partnership"(以下、GCP)とは地域発展をサポートするNPO団体とのこと。
なんでもかんでも政府に頼るのではなく、民間企業や個人が自主的に地域を発展させようという趣旨のもと1980年に作られた組織なんですって。移動式ビジター・インフォメーション・センター以外に、路上の新聞ボックス、街路樹や花壇、その他地域活性化を目的とした個性溢れるイベントを提供してるんだとか。
ちなみにGCPの活動範囲は主にミッドタウンの東側。35~54丁目、2nd~5th Avenue間の地域をカバー。お姉さんによりますと、ニューヨーク市には地域毎に類似組織があって、その数は60近いんだそうです!
ひじょーに興味深いことに、こうした民間レベルの自主的な活動を近年になってニューヨーク市もサポートするようになり、2002年には"
the Department of Small Business Services"(略してSBS)という部署が市役所内に登場。さらに2003年からは既存の"the Department of Employment"と合併し、雇用者と従業員双方へ行政サービスを提供開始しております。これって本当にここ数年の変化なんですね。確かにここ数年、ニューヨークでは個性豊かなイベントが急増してたり、街の活気が年々増しているような気がしてましたが、こういった民間団体が行政を巻き込んで活動の幅を広げてるということもその要因の1つなのかも?
こういう流れで変化が起こってくると、「民間にできることは民間に任せて・・・」なんていう論議が起こる余地がありません。最初から民間がやる気満々っていうか、勝手にどんどんやっちゃってるんですね。政府はまるでオマケ。"... government of the people, by the people, for the people..."というリンカーン大統領の演説以上のものになっちゃってます。しかもこのカートのお姉さんもそうですが、そのpeopleがアメリカ人に限られてないってのがまたすごいっていうか、ニューヨークらしいところです。
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