
ニューヨークの街角で何気なく見かけるポジティブなメッセージの数々。本屋さんにならぶノートの表紙にも”Go confidently in the direction of your dreams!
Live the life you've imagined.”(君の夢に向かって自信を持って行こう!君の想像する
人生を生きよう)、なんてメッセージがどーんと書いてあります。

ビジネス書とかだったらまだしも、女の子向け、または子ども向けの可愛いらしい小さな本にもポジティブなメッセージが満載。クレヨンで描いたような文字で、"
Believe in Yourself"(あなた自身を信じよう)なんて表紙のこんな本とかまで普通に売ってます。
お花や小鳥のイラストいっぱいなページには、"Don't wait for the world to change.
Change it yourself."(世界が変わるのを待たないで。自分で世界を変えよう)のような熱いメッセージが盛りだくさん。ちなみに、お花のアクセサリーのようなブックマーク付き。かわいいーんですけど、いったい出版社が想定してるこの本の読者層って誰なんだろ。やっぱり、ティーンネイジャーとかもっと若い女の子向け?
アメリカ、特にニューヨークでは、前向きな考え方や行動に対する社会的な評価が非常に高いように感じられます。移民が築き上げた街というバックグランドや、今でも世界中から夢を叶えるために多様な人々が集まり、お互いに協力しあって生きている実生活が身近なものとして存在してるからかもしれません。

評価が高いっていうか、街の広告とかあらゆる場所で普通に目にするって感じです。左の写真はアディダスの有名な広告、"Impossible is Nothing"(不可能はない)。
このキャンペーンが行われてた頃、広告業界の世界の首都でもあるニューヨークでは街中のいたるところに「不可能はない」のキャッチコピー付のポスターが張り出されてました。最初、うっかり"I Love NY"に次ぐニューヨーク市とか観光局の新しいキャッチコピーの広告かと思ったんですけど、アディダスだったんですね。
前向きであることが何故良いのか?についての論理的な説明もいろいろ耳にします。感覚的にその方がいいから、とかだけじゃないんです。たとえば、こういう実験っていうかケーススタディがあります。
〔ケーススタディ〕 『成長の機会』に対する気持ちの影響力
大学の授業で絶対にAを取らないといけない単位があります。ところが最初の試験であなたはDを取ってしまいました。さて、どうする?
- 前向きな学生は、「今後頑張って必ず挽回してみせる」と今まで以上に努力して実際にAを取りました。
- 普通の学生は、「次の試験でなんとかならないかな・・・」とは思うものの、行動が伴わず苦手意識もあってBあるいはCしか取れませんでした。
- 悲観的・否定的な考えをする学生は、「もうだめだ」とあきらめ、授業を受けることもやめてしまいました。
大学の1つの単位だけの話なら、まぁ、別にだから何?って感じですけど、物事に対する人間の考え方や心理というのは、だいたいいつも同じだったりしますから、こういう結果は長い間に積み重ねられていって大きな差になるというのです。
たとえば、2週間に1回、何かしらの「成長の機会」が訪れたとして、前向きな行動、普通の行動、悲観的・否定的な行動により、それぞれ+3%、+1%、-1%それまでの自分の持つ能力・知性・人間性など(初期値は100)を成長させると仮定すると、1年間でこれだけの差に!(以下グラフ参照)

人間は1度の経験で何倍にも大きく成長することもありますし、これはあくまで「前向きさ」の効果を分かりやすくするためのグラフです。分かりやすいかと思って。同じ原理で5年後、10年後は?とイメージしてみるともっと分かりやすいと思います。ご参考まで。
【追記】
Better Mood and Better Performance
Learning Rule-Described Categories Is Enhanced by Positive Mood
~2010年Psychological Science掲載論文。前向きさがクリエイティビティを高まると科学的に証明。
ニューヨークの街角はホントにポジティブ・メッセージが多いのです。今回は「前向きさ」にテーマを絞って書いてみましたが、「自分と向き合う」ということと大きく関係する気がします(ご参考過去ログ:「自分の心の声に耳を傾けるということの効果」)。ニューヨークって自分と向き合うのにもとてもいい環境かも(ご参考過去ログ:「グローバル化時代への希望」)。あと、重要なのは、「考える」だけじゃなくて「行動」することっていうのもよく指摘されます。上で紹介した女の子向けの可愛い本にも、"One of my rules is: Never try to do anything. Just do it."。なんて書いてありました。※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。「人気blogランキング」