サマータイムが到来したニューヨークでは、パフォーマーやアーティストの方々が街角各所に登場しはじめました。写真は、The Artist of Greenwich Village NYC。グリニッジ・ビレッジに住む画家、リコ・フォンセカ(Rico Fonseca)さん。ワシントン・スクエアの南西コーナー、マクドーガル・ストリートとウェスト4丁目の交差点付近(MacDougal and West 4th St.)で、自作のアート作品を過去30年近く売り続けています。
ペルーの貧しい家庭に生まれたリコさんは、6歳の頃からストリート・チルドレンをしていました。路上や空き地を寝床にした生活。しかし、彼には世界的に有名な画家になるという夢がありました。ペルーの路上で観光客の肖像画を書きながら、英語を覚え、そして、奇跡は起こります。
リコさんが16歳のとき、アーティストとして彼を支援してくれる米国人の方が現れ、アメリカに移住できることになったのです。全ての準備が整ったのは、彼が17歳のとき。所持品は、ポケットに入った25ドルと背中のナップサックだけ。ペルーからアメリカまで、5,000マイルもの距離をヒッチハイクしてやってきました。
もちろん、アメリカに移住できてもアーティストとして成功できる保障は何一つありません。レストランのウェイターや皿洗い、映画のエキストラなどで生活費を稼ぎながら、幼い頃からの夢を叶えるために彼は作品を描き続けます。リコさんの作品が最初に注目を集めたのは、1960年代のカリフォルニア。ポスター・デザイナーとして人気が出ると、今度はコラージュ壁画が高い評価を受けました。以後、いくつもの大傑作を次々に世に送り出し、全米各所のギャラリーやアートショーにも登場。そして、ついに彼は夢を叶えたのです。
地元グリニッジ・ビレッジでも、リコさんの描いた壁画を見かけます。この壁画の場所は3rd St.沿い、MacDougal St.との交差点からすぐ。Grooveというバー&ライブハウスの壁です。
色彩豊かで目立つ壁画なのでご存知の方も多いと思います。
〔ご参考情報〕
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http://www.universalartprints.net(リコさんの公式サイト)
昨日、ご紹介したエイミーズ・ブレッドの創業者のエイミーさんの情熱も素晴らしいと思いましたが、ペルーでストリート・チルドレンをしていたというリコさんの経歴は、もうあまりに凄すぎて言葉で表現できません。「自分の可能性をどこまで信じることができるんだろう・・・」って迷ったときに、彼らのような人々にふと街角で出会えると、とても勇気がわいてきます。こういう何気ない出会いがニューヨークの最大の魅力の1つかなと思います。
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