
ニューヨークに住む日本人に、日本の現状を伝えてくれるネット以外の貴重な情報源と言えば、日系フリーペーパーです。右の写真は、ニューヨークで唯一の日刊フリーペーパー、Daily Sun(デイリーサン)。
その金曜日の1面トップの記事が伝えたのは、
「日本の子供、最も孤独」。国連児童基金(ユニセフ)が14日発表した先進国に住む子ども達の「幸福度」に関する調査報告によると、
「孤独を感じる」と答えた日本の15歳の割合は29.8%で、2位のアイスランド(10.3%)、3位のフランス(6.4%)やイギリス(5.4%)などに比べ、飛びぬけて高かった、という内容です。とても気になったので、その原文["An overview of child well-being in rich countries"(裕福な国々の子ども達の幸福に関する概要)]をチェックしてみました。

これはOECD(経済協力開発機構)参加国を中心に、経済先進諸国の子ども達の生活と幸せについて評価を行ったレポートで、上記の6つの側面が評価軸となってます。記事になってる『孤独』は、6つ目の"Subjective Well-being"(主観的な幸福)に含まれる質問項目"Personal Well-being"の1つでした。グラフで見ると、その突出した様子が一目瞭然です。

イジメや凶悪犯罪の若年齢化が社会問題化している今の日本・・・。昨年から『教育基本法の改正』が話題になってたりしてます。確かに、他の国々と比べて、もっと自立心や責任感を高める教育内容にした方がいいのかもしれません。でも、子ども達がこんなに孤独を感じているのって、やっぱり何かもっと根本的な部分に問題があるんじゃないでしょうか。

そういえば、以前、雑誌Timeが行った
「なぜ人は幸せと感じるか」について行った調査結果をこのブログでもご紹介したことがありました。アメリカで、人が幸せと感じる理由が分かって興味深いんです。そして、
その1位は「子どもとの関係」、4位、7位にも「夫婦間や親など家族との関係」が入ってます。ちなみに上位8位に「仕事」は入ってません。こんなに家族を大切にするのは文化的な理由から?アメリカ人の方々にそういう質問すると、「いつもってわけにはいかないけど、基本的にはそうだね。」とか、「えっ?!家族より仕事を優先する国なんてあるの?」と逆に聞かれたり(汗)。

子ども達を取り巻く環境についてこのブログで書いたエピソードもいくつかありました。メトロポリタン美術館の前で、自作の絵を売っていた5歳くらいの女の子のお話(
「子どものチカラ」)とか、生後1歳前に小児ガンにかかり4歳からレモネードスタンドによる募金活動を始めた女の子のお話(「
自立心を育む教育」)や、「子ども達の家庭教師兼人生相談係」といった感じの
「ボランティア・メンター制度」などなど。日本では当たり前だと思っていたことが、実はそうではないんじゃないかとか、いろいろと考えさせられることも多いです。
日本の孤独な子ども達。その背景にある原因について結構考えてしまいました。難しいですね。簡単に答えが思いつくようなことじゃありません。でも、1つのベースとなるものとして、家族のあり方が重要かなと思います。そして、子ども達を支える親以外の大人の存在も非常に大切。日本でも最近はお父さんが子育てに積極的に関るご家庭も増えているそうですので、今後、この状況は変わっていくのかもしれません。
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