
皆さん、この写真の巨大ポスター、いったい何の広告か分かりますか?
このポスターは、先月、タイムズ・スクエアの一角に出ていたものです。場所は、42丁目と7th Avenueの交差点。大きさは、横のビルの高さ6~7階くらいまで覆うもので、夜間はご覧の通りライトアップされてました。
デザインは極めてシンプルです。白いバックに道路標識らしきものがあるだけで、色使いもソフトな感じの白黒写真。人物は登場せず、商品名やブランド名らしきものは見当たりません。
宣伝コピーとして、
"for all mankind."(全ての人類のために)というフレーズがあるだけ?でも、これが宣伝コピーだとしたら余程のモノをPRしているはずですし、こんな巨大ポスターなのに他に何も情報が無いなんて、なんだかちょっと不思議な広告ですよね。"for all mankind."(全ての人類のために)なんてフレーズが添えられるもので、商品名もブランド名も書いていない広告でPRできるもの・・・、そんなものってあるんでしょうか?
よく見ると、数字の
"7"も意味がありそうな感じです。この広告の謎を解く、数少ない手がかりの1つである交通標識には「7 for all mankind Avenue」と書かれています。「もしかして7th Avenue沿いのビジネス・オーナーの組合か何かがエリアをPRしてるのかも?!」なんて考えてみたりして・・・。でも、そんなの聞いたことないですし、本当にそうならとっくにニュースとかで取上げられてるはずです。

あんまり気になったので、後日、昼間にこの巨大ポスターの場所にまた行ってみると、横にある別の大きなポスターに気がつきました。こちらは茶色をベースにした暖色系の色使いで、男女のカップルのキスシーンの写真入りとなっていて、"for all mankind."よりは分かりやすそうなポスターになってますが、こっちもイマイチ具体的に何の広告なのかは不明瞭です。
大きく
"One world"(1つの世界)と書かれていて、宣伝コピーらしきものとして"Live and let live"(生きる、そして、生かされる)というフレーズもありました。
謎は深まるばかり・・・ですが、この2つの巨大コピーのフレーズを続けて読んだら
、"One world for all mankind."(全ての人類のための1つの世界)という文章になります。別々の2つの異なるポスターなので、広告主も別々なはずでしょうから、偶然の一致だと思うんですけど、どちらも壮大なテーマを展開してますよね。
で、結局、その場では何の広告か分からずじまいだったのですが、後日、これが何だか判明しました。
7 for all mankindは宣伝コピーではなく、そのフレーズがそのままジーンズのブランド名だったんです。また、One Worldも洋服のブランド名でした。謎が解けたときは、「なーんだジーンズかぁ~。確かにみんなはいてるよねー」って感じだったんですけど、後からよくよく考えると、あの巨大ポスター見てジーンズの広告って分かる人ってどのくらいいるんでしょうね?全部がそうではないですけど、偶然横にあった"One world"の広告も含めて、こっちの広告とか商品を売るためのプロモーションって、その背景にある世界観がとっても大きいような気がします。
ニューヨークではこういった広告からだけじゃなく、色々な場面で「あー、視野が広いなー」と感じさせられることが多い気がします。やっぱり世界中から色んな背景を持った人たちが集まっているので、自然と視野が広くなったり、普通とは違った視点から物事を見る力がついたりするのかもしれません。ふと立ち止まって考えさせられる場面に頻繁に遭遇して面白いですよ。
※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。
「人気blogランキング」