日本で普通地名というと、例えば、渋谷、新宿、六本木など。ニューヨークでも、ビレッジとかチェルシーというように普通の名前のものが多いのですが、そこはアメリカ、英語の頭文字を並べた略語が地名となっているものあります。
代表的なところで、SOHO(ソーホー)。これはSouth of Houston Street(ハウストン・ストリート南部)の頭文字による略語。他に、Nolita(ノリータ)がNorth of Little Italy(リトル・イタリー北部)とかありますね。この2つのエリア名は有名ということもあって、何の略語かご存知の方も多いと思いますが、では、TriBeCa(トライベッカ)は何の略語でしょう?
Tribecaとは、Triangle bellow Canal Street(キャナル・ストリート下の三角地帯)の略。ダウンタウンの最南端に近い、北をキャナル・ストリート、西をハドソン川、東をブロードウェイに囲まれている、だいたい三角形をしたエリアのことをそう呼びます。地図で見ると分かりやすいですね。
このトライベッカ、最近はニューヨークを代表する著名なレストラン(NobuとかMeguとかトライベッカ・グリルなど多数あります)が集まるエリアとなっていますが、もともとはさびれた倉庫街でした。使い道のなくなった倉庫が、お洒落なロフト付アパートやギャラリーへと改築されはじめたのは、わずかここ10年ほどの間のことです。
再開発によってできたロフト・アパート、ギャラリーのお陰で、若手のアーティストが移り住んできた・・・というよくある話なのですが、実際に行ってみるとそれほど活気を感じません。賑やかなマンハッタンの中では、不思議なくらい寂しく暗い雰囲気です。
石畳の路面や建物の外観にかつての倉庫街の面影が色濃く残っていて、人気もかなりまばら。見所という見所を挙げるのはとても難しいのですが、地下鉄①ラインのFranklin St.から降りてハドソンリバー方面に歩くと、石畳の通りや雰囲気のある建物などを手軽に見ることができます。また、Franklin St.沿いにはNobuやTribeca Grillもあったりしますね。ただ、ここだけを見てニューヨークって寂しい街だなと思われてしまうとちょっと残念な気がします。
多分、再開発のときにエリアの作り方を間違えちゃったんじゃないかなと思います。高級なレストランが立ち並ぶというのは悪いことじゃないと思いますが、普通の人はそんなところ普段行きません。若手のアーティストならなおさらでしょう。ウォール・ストリートを中心にした金融街も近いので、ロフト・アパートも若手アーティスト向きじゃなくて若手金融マン向きの高級物件となっていったということでしょうか。確かに付近を歩いている住民らしき方々の格好はハイソな感じで、人があまりいないわりに治安を不安に感じることもありません。でも、高級志向に転じた結果、エリア全体としてはいまいち活気がなくなってしまったような気がします。最近このブログで紹介してきたLower Eastの再開発と比較すると、全然違うのでとても勉強になりますね。
マンハッタンの端っこの方なので交通の便が悪いということもあるかもしれませんが、ウォールストリートが休みとなる祝祭日や休日に行くと殆どゴーストタウン状態になっています。でも、Nobuの前だけ行列ができてたりしますけど(笑)。もう少し庶民の楽しめる場所を増やした方が活気が出ていいのになぁ。雰囲気はこれまた最近再開発されて盛り上がっているミートマーケットにも負けないものがあるだけに、もったいない気がしました。
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