さんざん急激なインフレ、物価の高騰が話題になっているアメリカで、今年、コスメ(化粧品)やビューティー(美容品)の売上が、一般的な小売市場の対前年売上増加率(2.9%)の3倍以上になる10%を超えるほど、美容産業にブームが起こっているという、驚きのニュースが報じられてます。
さらに、このニュース、eMarketerでは、ポッドキャストの方でめちゃめちゃ深堀りしてまして、ご興味ある方は必聴:
なぜ、アメリカでコスメやビューティ用品の売上が大幅に増えているのかと言いますと、このeMarketerの分析によると、まず、他の一般的な日用品とは異なり、コスメやビューティ用品は購入する頻度が低く、多少、値段が高くなっても購入をやめたり、見送ることになりにくい、とのこと。
さらに、そもそもコスメやビューティ用品は購入する消費者は、その成分や品質に強いこだわりをもっていることが多く、例えば、美肌クリームとか、むしろ、値段が高い方が効果があるんじゃないかという思い込み(皆さんも、思い当たるフシがあるでそしょう)もあり、価格だけが購買行動を決定する要素になりえない。
そして、もう1つ、これ、eMarketerの分析では、あんまりそれほど重要視されておりませんが、ソーシャル・メディアの影響は、かなり大きいと思います。
アメリカでは、次々に登場するTikTokやInstagramで注目を集めるインフルエンサーの多くが、お気に入りのコスメやビューティ用品を紹介したり、メイクの仕方を披露したり、中には、独自のコスメやビューティ用品のブランドを立ち上げるインフルエンサーまでいますので、その結果、コスメやビューティ用品の売り上げが、爆発的に増えているっていうのが、一番、本質的な変化をとらえた分析な気がします。
また、コスメやビューティ用品は、そもそも種類が豊富で、さらに、新しい成分やトレンドになっているメイキャップなど新情報もどんどん増える傾向にありますので、消費者が自らインターネット上でそうした情報を調べたいという欲求を持っていて、他の商品よりもインフルエンサーの影響を受けやすい、とも言えるでしょう。
まぁ、とにかくそんなこんなで、2025年には、アメリカでのコスメやビューティ用品の売上は、1,000億ドル(1ドル=140円換算で、14兆円)に達するとのこと。すごい。
なお、オンライン上の売上(13.6%)の方がアメリカでのコスメやビューティ用品の売上全体(10.1%)よりも増加率が高め・・・。やはり、先ほど指摘したインフルエンサーの影響がある気がします。
そして、最後に興味深いのが、以下の指摘:
Compared with more expensive discretionary splurges like electronics, makeup and skincare products need to be replaced regularly, one reason beauty sees more consistent sales with less impact from changing macroeconomic environments.
電化製品のような高価な嗜好品に比べ、化粧品やスキンケア製品は定期的に買い換える必要がある。
さきほど、他の一般的な日用品とは異なり、コスメやビューティ用品は購入する頻度が低く、多少、値段が高くなっても購入をやめたり、見送ることになりにくい、と指摘しましたが、でも、電化製品などと比較すると、確かに”makeup and skincare products need to be replaced regularly”(化粧品やスキンケア製品は定期的に買い換える必要がある。)。
これは、めちゃめちゃ重要な特徴。
なぜなら、値段が多少高くても、コスメやビューティ用品は定期的に確実に売れる、ということだから。
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