前回の『
アメリカの文化戦争がマーケティング業界に与える影響』の中で:
M&M’sが”inclusivity”(包容性)を打ち出しマスコット・キャラクターのデザインを変更して大炎上したこと
とお伝えしましたが、このM&M’sの件、なかなか興味深い出来事ですので、何があったのか、M&M’sがどのように対応したのかなど、一応、まとめておこうと思います。
まず、このM&M’sの件、同社が打ち出したのが、”inclusivity”(包容性)。
2022年1月、唯一の女性キャラだった緑色のはいていたハイヒールをスニーカーに変更したり、ヒールの丈の低いブラウンやパープルなどの新しい女性キャラを加えるなど、より”inclusivity”(包容性)の高いデザインに変えたところ、これがインターネット上で大炎上。想定外の展開に。
それから1年後の2023年1月、ついに、このキャラクター(正式名は、M&M'sスポークス・キャンディーズ、spokescandies)の活動を「無期限休止」することに・・・。
火消しのため、公式インスタグラムで、以下のようなコメントを公開することになりました。
America, let's talk. In the last year, we've made some changes to our beloved spokes candies.
アメリカよ、話しましょう。 昨年、私たちは愛するスポーク・キャンディーにいくつかの変更を加えました。
We weren't sure if anyone would even notice. And we definitely didn't think it would break the internet.
誰かが気づくかどうかも分かりませんでした。 そして、それがインターネット上で大炎上するなんて思っていませんでした。
But now we get it - even a candy's shoes can be polarizing. Which was the last thing M&M's wanted since we're all about bringing people together.
しかし今、私たちは事態を理解しました。つまり、お菓子のマスコット・キャラクターの靴でさえ、世論を分断し、二極化させる可能性があるということです。これは、人々をひとつにする(団結させる)ことに全力を注いでいるM&M'sがもっとも求めていないことです。
Therefore, we have decided to take an indefinite pause from the spokescandies.
そこで、我々はスポンサードを無期限休止することに決めました。
In their place, we are proud to introduce a spokesperson America can agree on: the beloved Maya Rudolph. We are confident Ms. Rudolph will champion the power of fun to create a world where everyone feels they belong.
その代わりとして、私たちはアメリカが納得するスポークスマンを紹介できることを誇りに思います。 マヤ・ルドルフは、誰もが自分の居場所だと感じられる世界を作るために、楽しみの力を支持してくれると確信しています。
日本より多様な価値観を持つ人々が混在するアメリカで、この手の炎上を起こした企業がその火消しのためにどのようなコメントを発表すべきか、一応、参考になるのかな、と思います。
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