『住宅』についての章で、自宅に専用の作業エリアがあるかとか、専用のホーム・オフィスがあるかなど『理想的なリモート・ワーク環境』についてのデータや分析を見てみましたが、今回は、その真逆。
(会社の)『オフィス』についての章では『社員がオフィスに来る理由』や『業界ごとの直接会って仕事する社員の比率』など、要するに、反リモート・ワークと言いますか、オフィスの価値や意義を高めるデータや分析を見ておきましょう。
…というワケで、冒頭のグラフは、『社員がオフィスに来る理由』。
まぁ、普通、『社員がオフィスに来る理由』と言えば、仕事をするため…なのでしょうけれど、コロナ禍を経てアメリカでは、わざわざオフィスに来なくても自宅で働く「リモート・ワーク」(テレワーク)が、劇的に普及し、一般化したため、(自宅で働くよりも)仕事に集中するため…という回答が、1位になっているのがポイント。
2位以下も、わざわざオフィスに来なくても自宅で働く「リモート・ワーク」(テレワーク)との対比で考えてみると、奥深いニュアンスを感じられますね。
◆『社員がオフィスに来る理由』
- To focus on my work
自分の仕事に集中するため - Access to technology
テクノロジーにアクセスするため - Scheduled in-person meeting with team
予定されているチームとの対面ミーティングのため - Access to specific spaces, materials, resources
特定の空間、資料、リソース(手段)へアクセスするため - To sit with my team
自分のチームと一緒に座るため - Professional development/ coaching
発展につながる専門的な指導やコーティングを受けるため - Scheduled in-person meeting with clients
予定のクライアントとの対面ミーティングのため - Socializing with colleagues
同僚との社交のため - Access to senior leaders
上司と会うため - To be visible for opportunities
好機に自分の存在を示すため - Impromptu, Face to face time
(予定なしで)即席で、顔を合わせるため - To be part of the community
コミュニティの一部であるため - Access to an ergonomic work setting
人口工学に基づく作業環境を活用するため - Access to amenities
アメニティ(働くうえでの快適さ、例えば、コーヒーやお茶、スナック、観葉植物など)のため
その他、米国のオフィスで働く人々の最新トレンド、例えば、ますます重要になる『多様性』について
2021年、米国の法律事務所の夏季インターンシップ生は、41%(前年から5%増)が有色人種…とのこと
さらに、業界ごとに、『どのくらいの時間を、従業員が会社(オフィスやお店など)に実際に来て対面で仕事するために使っているのか?』を比較するデータ…などという、他のレポートでは見たことない、いかにも建築デザイン会社のGensulerらしい情報も、以下のとおり:ご覧のとおり、
消費財(Consumer Goods)業界が、従業員が会社(オフィスやお店など)に実際に来て対面で仕事するために使っている時間の比率が最も高く、37%。
なお、消費財業界とは、主に、小売業界のこと。
逆に、従業員が会社(オフィスやお店など)に実際に来て対面で仕事するために使っている時間の比率が最も低いのは、メディア業界とエネルギー業界の24%、さらに1%差で、テクノロジー業界や経営へのアドバイス業の25%。
また、そもそも「一人で仕事する」(他者と働く必要がない)時間の比率が最も高いのが、政府/防衛業界の46%。次に、法務業界の40%、金融サービス業界の39%。
「一人で仕事する」(他者と働く必要がない)時間の比率が、案外、低いのが、テクノロジー業界の30%や科学業界28%。実は、ハイテク企業や科学の最先端の現場ほど、一人で働くことはそれほど多くなく、誰かと働くことになり、コミュニケーション能力が問われる…ということみたい。
それから、「バーチャルで他者と仕事する」時間の比率が最も高いのは、まぁ、ごくごく当たり前の結果だと思いますが、テクノロジー業界の18%。続いて、メディア業界とエネルギー業界の16%。
ここでさらに、「一人で仕事する」(他者と働く必要がない)と「バーチャルで他者と仕事する」時間の比率を合計した数値から見た、つまり、最もリモート・ワークを導入しやすい環境がすでにある業界は、1位が、政府/防衛業界(54%)。続いて、法務業界(53%)、経営へのアドバイス業界(53%)、金融サービス業界(52%)。
【Genslerの”Detsign Forecast 2023: Transformation”(デザイン予測2023年:変化)特集】
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