突然、シリコン・バレー・バンクやシグネチャー・バンクが経営破綻して大ニュースになってますが、ご安心ください。
米国の連邦準備理事会(Federal Reserve Bank、RFB)は12日、各金融機関が、急速な利上げによって価格が低迷、暴落し含み損を抱えている米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を含む適格担保を、償還前でも「額面」通りの価格でFRBが評価し、担保にして、最長1年の融資を行う ことで、銀行が債権運用で巨額の損を実現させなくても済む、という内容のこれまでなかった新たな資金供給策で、超法規的なバンク・ターム・ファンディング・プログラム(Bank Term Funding Program、BTFP) を発表。
"The BTFP offers loans of up to one year in length to banks, savings associations, credit unions, and other eligible depository institutions pledging any collateral eligible for purchase by the Federal Reserve Banks in open market operations (see 12 CFR 201.108(b)), such as U.S. Treasuries, U.S. agency securities, and U.S. agency mortgage-backed securities. These assets will be valued at par. " 「BTFPは、銀行、貯蓄組合、信用組合、その他の適格な預金取扱機関に対し、米国債、米国機関証券、米国機関住宅ローン担保証券など、連邦準備銀行が公開市場操作(12 CFR 201.108(b) 参照)で購入できるあらゆる担保を担保に、最長1年の融資を行う。これらの資産は、額面で評価される。 」 これを受けて、ゴールドマン・サックスは:
「これで銀行は価値の下がった有価証券の損失を実現することなく、潜在的な預金流出に向け資金を確保できる」 また、ジェフリーズのエコノミストは:
「(BTFPに差し入れる担保は}額面で評価されるため、SVBと同様に満期保有前提の目減りした証券を持つ銀行は、それをてこに容易に流動性を調達できる。証券を市場に大量放出して大幅な損失を実現する必要はなくなる。地方銀行の多くにとって13日は強い緊張を強いられる日になるだろうが、当局の行動で波及が広がるリスクは大幅低下した」 とのこと。
さらに詳しくは、
また、今回、なぜ、シリコン・バレー・バンクの経営破綻したのか、その主な理由についてですが、ざっくり言うと、①十分なリスク管理をせず(担当者不在)、②運用担当者が経営破綻した元リーマン・ブラザーズのCFOで(つまり、もともと能力がない人で)、さらに、③CEOも規制を緩くしてもらうためのロビー活動ばかりしていたから…、というのが、ColdFusionによる分析。
うーむ。興味深いです。
さらに詳しくは、以下、ColdFusionが指摘するポイントと、その元動画をご参考まで。
シリコン・バレー銀行は、基本的なミスをした 「利上げが起こると債券価格が低下する」という、 ごくごく当たり前のリスク管理を ちゃんと想定していなかった… 今回の破綻の仕組みについては、 9:18 ~の説明がとても分かりやすいです一応、簡単に言うと、低金利時代に投資した債券が、 急激な利上げによって値を下げたけど、 まともなリスク管理をしないまま、 うっかり、そのまま放置していたら、 (償還されれば問題なかったけど、損が大きくなる 長期の債券ほど値を下げたまま塩漬けに) 債券運用に回した資金を まったく現金化できない (=極端に流動性を損なう)という 金融機関ではありえない状況に陥り、 資金需要に応じる手元資金が不足して、 で、結局、損失を出しながら値を下げた債券を 売らなくちゃいけなくなり、 そのヤバい状況が外部に知れ渡って、 取り付け騒ぎになった…、というワケ なので、 含み損を抱える債権を額面で評価し 融資してくれる バンク・ターム・ファンディング・プログラム (Bank Term Funding Program、BTFP) が、 今回、FRBによって作られた、という流れです 最後に出てくる問題点のまとめ(22:28 ~) VIDEO
米国の銀行危機:災難の裏に隠された真実
(US Banking Crisis: The Truth Behind The Disaster)
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