なかなか珍しい、建築デザイン会社を対象にした『ビジネス・チャレンジ』(Business Challenge)、つまり、事業上の挑戦や課題についてのアンケート調査結果が発表されてましたので、その中を見てみましょう。
じゃじゃーん。
1位は、適切な手数料を得る(Earning appropriate fees) 66%
なんと、66%、つまり、3社のうち2社が「お客さんから、いかに適切な手数料を得られるのか」を挑戦や課題に挙げているそうです。へぇー。
とても興味深いです。確かに、建築に限らず「デザイン」というものは、そもそもアイデア次第の頭脳労働ですので、明確に原価と言える原価が存在しないと言いますか、適切な手数料とかお値段って説明が簡単じゃないのでしょうね。
また、そうなると、建築デザイン会社は、実際、どうやってお客さんから適切な手数料を得ているのか(=どういう説明をしているのか?とか、その説明のためにどのようなツールや資料を使っているのか?など)気になります。
建築業界に限らず、様々な業界で頭脳労働を主軸にされている方々は、年々、増えています。
なので、建築デザイン会社は、実際、どうやってお客さんから適切な手数料を得ているのか(=どういう説明をしているのか?とか、その説明のためにどのようなツールや資料を使っているのか?など)に関する情報は、案外、多くの方々のご参考になるかもしれません。
さて、その次に、多くの建築デザイン会社が挙げた挑戦や課題は:
不確かな経済(Uncertain Economiy) 62%
ほほぅ、これもなかなか興味深い答えです。でも、そりゃそうでしょうね。これまでに、度々、お伝えしたように、現在、アメリカ経済は、過去に例を見ないような「不確か」な状況になってます。
でも、それは、決して悪い意味ではありません。
『新しい産業革命が進んでいる(かもしれない)』という、とんでもなくプラスでポジティブな方向での不確かさと言えるでしょう。
進化のスピードが早過ぎるため、古く、生産性や成長性の低い分野では、淘汰される職や企業もでてきますが、その一方で、これまでなかった新しい分野で成長するスタートアップ企業や、新しい産業そのものが続々と生まれている印象があり、その証拠に、様々な経済指標が期待を超え、上回る数値を出し続けています。
せっかくの機会ですので、以下、さらに他のアンケート調査結果、『顧客に関する課題』(Client Dynamics)と『実務課題』(Practice Issues)も見ておきましょう:
上述の全体の挑戦・課題の3位に入っていた「顧客」の期待にいかに応えるか?を深堀りすると、もっとも大きな挑戦・課題は、
「デザインの価値を顧客に理解させる」(Getting clients to understand design value)50.6%
50.6%、つまり、2社に1社は、「デザインの価値を顧客に理解させる」ことが
デザイン会社としての挑戦・課題になっているそうです
やはり「デザイン」というものは、そもそもアイデア次第の頭脳労働なので、価値を理解させるのが難しいみたいですね
でも、どうやって理解させるのでしょう?
改めて、”The NYCxDESIGN Awards”のような
専門誌による建築デザインの賞が、そのために役立っているのかも?と感じます
あと、興味深いのが、「顧客のデザインのリスクを取る意欲(を高める)」(Client's willingness to take design risks) 32.2%
こんなのどうやってできるのでしょう?ものすごい深いテーマのような気もします建築デザイン会社の取り組み事例を知りたいですね建築デザイン会社の実務関連の課題では、やっぱり、今、アメリカでは史上最高レベルの人手不足ということで、有能な人材をどうやって確保、維持、トレーニングするのかが大きな挑戦・課題になっているみたいです
これは、まぁ、当然、そうなるのでしょうね特に、『成長分野』の企業なら、わりと結構、今のアメリカでは、どこの会社でも似たような状況かもしれません
また、その結果、成長分野で成功している会社ほど、リモート・ワークのような新しい働き方が取り入れられ、進化し、発展し、その会社の生産性や収益力をさらに高めていく可能性が高いと言えるでしょう
【Genslerの”Detsign Forecast 2023: Transformation”(デザイン予測2023年:変化)特集】
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