前回、
アメリカでは、コロナ禍を経てローカル書店も紙の本も増えるとお伝えしましたが、これ、非常に重要なトレンドだと思いますので、追加情報を含め、改めて記事にまとめておきます。
まずは、前回、お伝えした記事から:
"The trend isn't just in New York City. More than 300 new independent bookstores have opened across the nation in the past few years, rebounding after struggling early in the pandemic, The New York Times reported this summer. Some 200 more are expected to open in the next couple of years, per The Times."
この傾向はニューヨーク市だけではない。この数年、全米で300以上の独立系書店が新たにオープンし、パンデミック初期に苦戦した後の反動が出ていると、この夏、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。今後2、3年の間に、さらに200店ほどがオープンする見込みだと、タイムズ紙は伝えている。
続いて、より詳しくカテゴリー別に見た、コロナ禍真っ最中の2020年から2021年にかけての紙の本(印刷された書籍、Printed Books)の売上冊数の比較データなど:
特に小説は、2020年から2021年にかけて売上が25%増、30%増をこえる勢い ところで、前回、以下のような考察を書きました:
電子書籍のある現代、持ち運びしたり保管する手間やコストなどを考えたら、これは驚くべき現象と言ってよいでしょう。
でも、近年、アメリカでも日本でも、プレイしたり、持ち運びしたり、保管する手間やコストのめちゃめちゃかかる昔ながらの「レコード」の人気が高まってきたりもしてるんですよね・・・。
なんやかんや手間もコストもかかり、どちらかと言えば、不便で苦労することの多い「キャンプ」の人気が高まってたりもしますし、人間って不思議。
”Rather than accounts portraying the perfect life,real people want to see and connect withreal people, complete with shortcomings andvulnerabilities.”
「完璧な人生(生活)を描くよりも、人々は、欠点や弱点をも含めた現実の人々と出会い、つながりたいと思っています」
デジタル化、インターネット化、AI化が進み、いろいろと便利な時代になった現代では、多くの人々が、もはや、完璧な理想を追い求めることよりも、たとえ何かしらの手間やコストがかかっても、あるいは、欠点や弱点があったとしても、より人間らしい、人間ならではの魅力、面白さ、あたたかさ、素朴さ・・・等々を求めるようになってきたのかもしれません。
そんな現実の人々の出会いやつながりの場になろうということで、例えば、「本物の友情を築こう。」「ただのSNSではない」がキャッチコピーになっている、”BeReal”のような新しいSNSも登場しています。そして、AppleのApp Storeでは、すでに”BeReal”のアプリは、「ソーシャルネットワーキング」内10位にランクインしています。
...BeRealの特徴は、「盛らない」こと。アプリから通知が送られてきたら、2分以内に写真を撮ってシェアします。スマホに保存していた写真の投稿や、別のアプリで加工してからシェアすることはできません。(中略)
アメリカの調査会社「data.ai」によると、BeRealのダウンロード数は1000万以上(2022年5月時点)で、2021年第4四半期から390%も増加しています。ダウンロード数がもっとも多い国はアメリカで、次がアプリを開発した企業があるフランス、そしてイギリスと続いています。年齢層はほとんどの国でZ世代になっており、特に女性の方が多い傾向があります。
…とのこと。
なお、この現象の背景には、写真を「盛ること」が当たり前になっている既存の多くのSNSが、アメリカやヨーロッパ諸国の10代~20代の女の子たちの心を傷つけ、精神を病む原因になっていることも、大いに関係あるでしょう。
〔ご参考〕
【なぜ、アメリカでは、ローカル書店も紙の本も増えるのか?特集】
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