
ある日の午後、大手小売り全米チェーンのターゲット(Target)店内で見かけた、上の写真、サボテンの鉢植え。ご覧の通り、様々なデザイン。頭の部分に植えてあるサボテンが髪の毛のように見える、
人の形をしたユニークな植木鉢?も。
しかも、手に持っている品々(本、ボール、えんぴつ?)やその体の色(白、青、パープル、水色)に違いがありまして、ここに置いてあるサボテンの鉢植えの中では、人の形をしたユニークな植木鉢の種類が、最も豊富。
なんともコトバでは表現しきれない、不思議な魅力を放っています。
単純に、サボテンの鉢植えを売っているのではなく、『デザイン』によって何かしら特別な価値を付け加え、まったく別の商品に昇華させた事例の1つ、と言っても良いでしょう。
長年にわたって、こうした『デザイン』は、私たちの知るこの世界の魅力を様々な方法で高め、日々の生活をより豊かで幸せなものへと変えてきました。
最近、イーロン・マスクさんが設立したOpenAIが、人工知能(AI)を使ってテキスト(文章)による指示に従って、データ・ベース上の画像をもとに芸術的な画像の組み合わせを生成するサービス、『DALL-E』(ダリ)の画像ジェネレーターを一般公開した影響で、「アーティストやデザイナーの仕事が脅かされるのでは?」などと各所で話題になっていますけど、この人の形をしたユニークな植木鉢のような、『デザイン』によって何かしら特別な価値を付け加え、まったく別の商品に昇華させた事例を見かけると、まだまだ人間ができることは多いだろうなぁ…って思います。
『DALL-E』(ダリ)の画像ジェネレーターを一般公開した影響で、「アーティストやデザイナーの仕事が脅かされるのでは?」などと各所で話題に
〔ご参考〕
それで、ふと思い出したことがあります。
かつて、アップル・ストア(Apple Store)がこの世界になかった頃、スティーブ・ジョブスさんが、アップル・ストアを作りたいと言い出したら、当時のアップルの役員全員に反対されました。アップル・ストアなんて成功するわけない…との声は、社外からも。
例えば、コレ、「アップルストアが成功しない理由」(Sorry, Steve: Here's Why Apple Stores Won't Work)。2001年のものですが、当時のアップルの課題や問題的を的確に指摘。指摘されたのは、①客が限られ過ぎ(=市場シェアはたったの2.8%)、②価格が高過ぎ(=当時は低価格パソコンのネット限定販売で急成長したDellが注目を集めており、他社も追随する流れ)、③店舗維持コストを甘く見すぎ(ちょうどウィンドウズ版の高機能パソコンを売ろうとしたGatewayが自社店舗展開で大コケして店舗を削減する流れ、ウィンドウズ・ユーザーの方が多いのにこの有様なわけで、ニッチなマックじゃ無茶過ぎる)などなど・・・。
まぁ、とにかく、「チーズとクラッカーで満足しているお客さんにキャビアを売ろうとしても無理・・・」とか、散々な言われっぷりになっていますが、当時はかなり多くの方々がだいたい同じ考えだったと思います。さらに詳しくは、過去ログ:
でも、結局、アップル・ストアは大成功し、アメリカのすべての小売店舗の中で、最も単位面積当たりの売り上げが大きいお店へと育っていきました。
その成功の理由についてはいろいろ言われていますが、要するに、スティーブ・ジョブスさんが思い描き、生み出した店舗デザイン(特注の内装、透明感、開放感、自由に製品に触れられ、インターネットも無料、製品やソフトのクラスも無料・・・等々、もろもろすべてひっくるめた店舗デザイン)や、その後、アップル・ストアに人々を呼び寄せるようになったアップル製品の製品デザインが、他にまったく類例や前例がなく飛び抜けて優れていたから、だと思います。
このアップル・ストアの存在をより興味深いものにするのが、マイクロソフトによる直営店、マイクロソフト・ストア。
2012年にテスト・マーケティング的な期間限定店を出した頃から、2015年にニューヨークの5番街に旗艦店をオープンした際も、ずーっとアップル・ストアのパクリだと叩かれ続け、そして、2020年、全ての店舗を閉店、完全閉鎖へ。
やっぱり、成功例をうわべだけ真似しても、うまくいかないものなのです。
アップル・ストアに込められた広い意味での「デザイン」を、たぶん、アップル社やアップル・ストアで働く人々は理解し、日々、体現できているのでしょう。それは、まだまだ人工知能で真似して再現しきれる類のものではない気がします。あるいは、ひょっとすると、人工知能が急速に進化する時代になればなるほど、人間だけが持つ感覚・感性の「デザイン」の価値や意義は、むしろ、高まっていくかも?しれません。
まだまだ人間ができることは多い、むしろ、今後ますます人間だからこそできることは増えていくんじゃないのかな? と思うのです。
手に持っている品々(本、ボール、えんぴつ?)やその体の色(白、青、パープル、水色)に違いがあり、ここに置いてあるサボテンの鉢植えの中では、人の形をしたユニークな植木鉢の種類が、最も豊富
『デザイン』によって何かしら特別な価値を付け加え、まったく別の商品に昇華させた事例の1つ
製造元の公式サイト(https://livetrends.com/beyou/)には、別の種類のユニークな鉢植えも
"LiveTrends"と"Urban Jungle"というブランドで、どちらもデザイン(アートやクリエイティビティ)が特徴というか、要するに、デザインを売ってるみたい
なんともコトバでは表現しきれない、不思議な魅力を放っています
〔ご参考〕
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