ブロードウェイ沿いの45~47丁目間、タイムズ・スクエアの中心部にある広場、ダッフィ・スクエア(Duffy Square)に、今年9月23日までの期間限定で登場中のパブリック・アート作品が、上の写真、
『ルーツ』(Roots) 。
『ルーツ』は、日本語に直訳すると『木の根っこ』。
その名の通り、このアート作品は、上下逆さまにひっくり返った、米国東部原産の7本のスイートガムの木々(Sweetgum trees)を用いており、特に、「根っこ」の部分が印象的。
また、この作品は、チャールズ・ゲインズ(Charles Gaines)さんによる初のパブリック・アート・プロジェクトである『ザ・アメリカン・マニュフェスト』(
The American Manifest )の一環で、単純にこのタイムズ・スクエアでの展示するだけではなく、マンハッタン島の南に浮かぶガバナー島と、オハイオ川のほとりの 合計3 つの場所で、ライブ・パフォーマンスなども含みつつ、なんと、2 年間にわたって展開するものなのだそうです。へぇー。
まぁ、いわゆる「体験型アート」ということでしょう。
もはや、アメリカ、特に、ニューヨークでは、この手のアート作品の楽しみ方は、目で見て鑑賞するだけじゃなくなっております。
特に「体験型アート」が主流になっていく変化が分かりやすいのが、2009年からはじまった、毎年、バレンタインの時期にタイムズ・スクエアに登場する「愛」をテーマにしたパブリック・アート作品、”Love in Times Square”シリーズ 。
このブログでは、”Love in Times Square”シリーズ の他にも、様々な「体験型アート」の事例をご紹介してまして、日頃から、つくづく考えさせられるのですが、インターネットや最新テクノロジーが進歩してバーチャル空間でいろいろなことをできるようになればなるほど、ますますどんどんリアルな世界で体験することの価値とか意義が高まっていくような気がします。
まるで、音楽の世界で、レコードやカセット・テープがCDに置き換えられ、さらに、Spotify、Apple Music、Pandora等のデジタル・ ストリーミングが主流になっていったら、アナログなレコードの人気がむしろ高まったのと同じ感じ、かも? ちなみに、ニューヨークでは、大型書店チェーン店が「レコード」の販売を再開するほどの変化も見られます。
そういえば、日本でも、今年6月22日、山下達郎さんが、2011年にリリースされた『Ray Of Hope』以来11年ぶり、通算14枚目となる最新オリジナル・アルバム『SOFTLY』を、CD、レコードに加えて
カセット・テープ でも発売してまして、空前のレコード・ブームが起こっているとニュースになってます:
まぁ、とにかくそんなワケで、「体験型アート」が増えている…という現象は、「人間らしさとは何なのか?」とか「人間は何のために生きているのか?」とか「人間が本当に求めていることは何なのだろう?」というような、人生の本質的なことを考える際に、結構、重要になってくる特別な社会現象のような気がします。
その作品が展示されている場所を実際に訪れてみて、その場所でしか得られない雰囲気や空気感を感じながら、アート作品に触れたり、登ったり、持ち上げたり、あるいは、そのアート作品にちなんだ音楽や演劇やダンスなどのライブ・パフォーマンス等などを通じた「特別な体験」を、アート作品とあわせて楽しむというのは、シンプルに、とても心に響くものです。
なので、旅行や留学、お仕事などでニューヨークにいらっしゃる方々は、ニューヨークの各所にある「体験型アート」を訪れて、実際にその場でしか得られない何かを体験してみると、より充実した特別な時間を過ごせるでしょう。
以下、ご参考まで。
この木々は、上下逆さまにひっくりかえって根っこが上ですが、 この日は、ヒートウェーブ(熱波)警報が出るくらい、 とっても暑い日だったので、ご覧の通り、水をまいてまして、 ちょっと不思議な感じしました 単純にこのタイムズ・スクエアでの展示 するだけではなく、 マンハッタン島の南に浮かぶガバナー島と、 オハイオ川のほとりの 合計3 つの場所で、 ライブ・パフォーマンスなども含みつつ、 なんと、2 年間にわたって展開するものなのだそうです すぐ横は、お馴染みTKTSブースの展望台 (お掃除中の様子) 横から見た”Roots” 背景にタイムズ・スクエアの巨大看板 逆さまの木々の根っこは上にあり、 なかなかシュールな光景です VIDEO 真夏のタイムズ・スクエアの風景
〔ご参考〕
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