
改めて、安倍さんの警護体制が問題になっているようですが、そもそも日米間で最も大きく異ることの1つに
「危機管理」に対する考え方が挙げられます。
もちろん、全員が全員そうではありません。
でも、しょっちゅう戦争に関与していたり、銃による事件のめちゃめちゃ多いアメリカでは、優れた軍関係者やセキュリティ関係者もそこらへんに、結構、いらっしゃるわけでして、その結果、アメリカの一般的な「危機管理」意識や能力は、かなり優れたものになっている印象を受けます。
それは、要人警護とかだけではありません。
ここ数年の出来事では、セントラルパーク内や国際展示場のジャビッツ・センター内に仮設病院を作ったり、すぐに博物館や駅構内など市内各所で無料でワクチン接種できるようにする…など、新型コロナ・ウィルス対策の初動の速さでも、アメリカならではの「危機管理」意識や能力は、極めて顕著でした。
また、つい最近の例でも、これもロシアのウクライナ侵攻を受けて…ということなのかな?と感じますが、ニューヨーク市の「危機管理」(Emergency Management)担当部門が、もし、ニューヨーク市が核兵器の攻撃を受けた場合、どのような対応をすれば良いのかについて、シンプルにまとめた以下の啓蒙ビデオを、7月11日付けで公式YouTubeチャンネルで公開しています。
ここで言う、"PSA"とは、Probabilistic Safety Assessmentの頭文字。そのまま日本語に訳すと、「確率論的安全性評価」という意味で、要するに、核兵器の攻撃を受けたときに、確率論的に、どのような対応をすれば安全性が高まるかということ。うーむ。実に興味深い。
日本は、「世界で唯一の被爆国」です。
だからこそ、日本は、長年にわたって核兵器の恐ろしさを世界中で訴えて参りましたし、今後も、核兵器に限らず、「
いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべき」(
安倍さんが残された『戦後70年談話』でも、強調されていたポイント)で、もちろん、それはそれでとても良いこと…なのですけれど。
でも、これまでこのニューヨーク市の危機管理担当部門の広報ビデオみたいな感じで、もしも、日本が核兵器による攻撃を受けたときに、どういう対応をすれば良いのか…について、国や地方自治体から何かしらの情報を教えて頂いたり、準備(少なくても心の準備)をしたことって、ほとんどない(一度もない?)気がします。
よくよく考えてみると、「世界で唯一の被爆国」である日本では、核兵器の恐ろしさを、そして広島、長崎で亡くなられた方々のことを忘れないという意味でも、とっても重要なことのはず、なのに。
いろいろ考えさせられます。
最後に、その肝心の核兵器の攻撃を受けたときの対応策(冒頭のスクリーンショットのとおり、大きく3つあります)について、シンプルにポイントをあげておきますね。あと、そのビデオも、全文英語ですけれど、ご参考まで。
- GET INSIDE+FAST
素早く建物の中に入る、窓から離れる、車の中は危険(核兵器に対して意味がない) - STAY INSIDE
建物の中にとどまる、すべての窓を閉じる、地下室があるのなら地下へ - STAY TUNED
メディアの報道やNY市危機管理局の発表を常に確認する
Nuclear Preparedness PSA (with captions)
〔ご参考〕
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