マクドナルドUSAは、マーケティングおよびメディア業界の人材パイプラインを多様化する取り組みの一環として、非営利団体マーカス・グラハム・プロジェクト(Marcus Graham Project)と提携し、2022年度iCR8ブートキャンプ(2022 iCR8 Bootcamp)で12人の未来のマーケティング担当者にトレーニングと指導を行い、マクドナルドの実際のマーケティングキャンペーンに影響を与えていく…と発表(プレスリリースより):
11週間のブートキャンプの間、参加者はポップアップ・エージェンシーとして活動し、マクドナルドのマーケティングとコミュニケーションのアウトプットを提供します。また、参加者は、マクドナルドの広報を担当するGolin Groupとクリエイティブを担当するWieden + Kennedyでインターンシップや新入社員としての面接を受ける機会も得られます。
この提携は、マクドナルドが、メディア王バイロン・アレンのアレン・メディア・グループの2部門であるエンターテインメント・スタジオとウェザー・グループから、広告手法における人種的ステレオタイプのパターンを主張する100億ドルの差別訴訟に直面していることも背景としています(2021年11月に前バージョンの訴状は棄却されたものの、修正された訴状が進行する予定)。また、マクドナルドの株主は、今年5月、差別を主張する複数の訴訟をきっかけに、
独立した公民権監査(independent civil rights audit)を求める投票を行っています。
つまり、マクドナルドにとって、人材パイプラインを多様化すること(=人種差別だと訴えられるリスクを取り除くこと)は、年々、重大な問題になっており、その対策の1つとして、未来のマーケティング担当者にトレーニングと指導を行うブートキャンプを開催することになった…というワケ。
これに加えて、すでにマクドナルドは、昨年、黒人、ヒスパニック、アジア太平洋系アメリカ人、女性、LGBTQが経営するプラットフォームへの全米広告費の割合を、2024年までに4%から10%に引き上げる計画を発表しています。
なお、以下の関連報道によると:
Black professionals comprise just 5.8% of the total make-up of the marketing industry in the U.S., compared to Hispanic and Asian-American professionals, which make up 8.68% and 10.7%, respectively. Of those who identify as Black or African-American, nearly seven in 10 (68%) are administrative or entry-level and 43.5% are non-management.
米国のマーケティング業界全体の構成比は、ヒスパニック系が8.68%、アジア系が10.7%であるのに対し、黒人のプロフェッショナルはわずか5.8%に過ぎません。黒人またはアフリカ系アメリカ人であることを示す人のうち、ほぼ10人に7人(68%)が管理職または初級職で、43.5%が非管理職です。
…とのこと。
うーむ。いかにも、世界中から多種多様の文化、価値観、ライフスタイルなどを持つ様々な人種や民族の人々で構成されるアメリカらしい話題だなぁ…と思います。
また、女性差別問題のMee too運動とか、黒人差別問題のBlack Lives Matterなど、近年、こうした多様性に関わる考え方や価値観は、年々、進化している印象。
そんな変化する時代の中で、どのようなマーケティングのブートキャンプが行われているのか、その内容がとても気になりますね。
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