前回の続きで、世界最大のデジタル技術見本市「CES」から、CES初日、一番最初に催される毎年恒例のCES主催者による最新のテック・トレンドについてのカンファレンス:のポイント。
他にもいろいろ注目のカンファレンスや話題はございますが、やっぱり、これを見ておくと、最新のテック・トレンドを、一応、ざっとまとめて確認できますので。
さて、前回の第一弾では、2021年を振り返り、一言で言うと、”Technology Demand Remains Strong”(テクノロジーへの需要は引き続き堅調)ということ、そして、主に『好材料』を取り上げましたが、今回は、チャレンジすべき『課題』や『問題』になってることを見ていきましょう。
まずは、サプライ・チェーン関連で『コンテナ輸送費用の高騰』問題。
(1)サプライ・チェーン関連で『コンテナ輸送費用の高騰』問題
以下のスライドの通り、2021年中、40フィート(長さ12.192m x 幅2.438m x 高さ2.591m)の輸送コンテナ1つあたりの輸送費が、大幅に値上がり、急激に高騰。
”Sea Change: Costly Containers”目覚ましい急激な変化:費用がかかる輸送コンテナ
なお、”Sea Change”は、直訳すると「海の変化」ですが、
”a profound or notable transformation”(物事を根底から変えるような深遠な変化や、注目すべき目覚ましい改革)を意味する英語の決り文句
これも、コロナ禍の影響で、港や輸送に必要なトラックの運転手さんたちを確保できない、人手不足が主な要因とのこと。また、この問題や、物流遅延が小売店舗での品不足につながり、急激なインフレという別の問題も生み出しているとの報道も。
CESのこのカンファレンスでは、なぜか、めちゃめちゃ狭い視野で『コンテナ輸送費用の高騰』だけ取り上げていて、不思議…というか、興味深いです。
コロナ禍の影響を確実に受けてるサプライ・チェーン全体の問題や、そこからつながるインフレの問題とかになってくると、最新テクノロジーがメイン・テーマのCESは専門外ということなのかも?
実際、今週1月16~18日まで、ニューヨークにある米国東海岸最大の国際展示場、ジャビッツ・センターで開催され、実際、その現場に参加して参りました『NRF 2022 リテールズ・ビッグ・ショー』(Retail's Big Show)の以下のカンファレンスの方が、参考になります。これらについては、余裕があれば、また改めて詳しく。
(2)『世界的な半導体不足』の問題
給湯器に使われている半導体が足りなくて真冬なのに給湯器が故障しても買い換えられず、お湯が使えない、お風呂に入れない(注文しても納品まで5ヶ月以上かかる)…とか、電子ピアノ、そして人気のゲーム機などが計画通りに生産できない非常事態だと、日本でも、結構、生活に密着した感じのニュース(
日テレ、
ANN)になっておりますので、ご存知の方も多いでしょう、
いかにもアメリカっぽいなぁ…と感じたのですが、このCESのカンファレンスでは『世界的な半導体不足』問題について話しはじめる際、生活に密着した給湯器でもなく、電子ピアノでもなく、人気のゲーム機でもなく、以下のようなスライドを見せて、この話題のつかみにつかってました。
半導体不足で出荷できないトラックをずらりと駐車してあるケンタッキーのレース場 さすが、自動車大国、アメリカです。やっぱり、ちょっと発想が違うみたいですね。そして、以下のようなスライドを用い、現状分析や、今後、どうやって世界的な半導体不足を解消していくのかに関する見通しが紹介されていました。
やっぱり、こういう感じのテクノロジー関連の話題の方が強いみたいです。
半導体の発注から納品までにかかるリードタイムに大幅な遅れが生じていますただし、半導体メーカーも何もしてないワケではなく、既存の半導体生産の生産力を高めたり、新しく半導体工場を作る計画を進めているそうです
あと、既存の半導体生産基地はアジアに集中しすぎているそうで、地震や津波などのリスク分散の観点からも、インテルは、ヨーロッパや米国に新しい半導体工場を作るそうです
■CES 2022 Tech Trends to Watch(テクノロジーのトレンド)その2『課題』
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