お天気の良い日、ダウンタウンのウェスト・ヴィレッジ周辺をお散歩していたら、老舗の映画館(IFC Center、6番街沿い3丁目の突き当り)に、上の写真のような看板が出てました。
そこに書かれているのは、上映中の映画のタイトル…?:
THE YEAR OF THE EVERLASTING STORM ... WE NEED TO DO SOMETHING
終わりのない嵐の年 私たちは何かする必要があります
さらに、9月1日夜、別のハリケーン「アイダ」が変化した熱帯低気圧がこの記録を塗り替え、観測史上最多の1時間約80ミリの雨が降りまして、日本の報道でも:
…などと報じられています。
なので、たぶん、この映画館の看板を見て、最近のニューヨークの「終わらない嵐」を連想し、この映画に興味を持つ人も多いかも?
映画館側もそのような効果を狙って、”WE NEED TO DO SOMETHING”(私たちは何かする必要があります)と付け加えているのかもしれません。
ただ、でも、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますけど、ニューヨークでも大雨が降るようになったとは言え、実際に降っている雨は、観測史上最多記録を更新しても「1時間に約80ミリ」程度。
1時間で100ミリくらいは頻繁に降っている日本と比べると、実は、そこまで極端な大雨ではないのです。
じゃ、なんで、地下鉄に濁流が流れ込んだり、道路が浸水したりするのか?
それは、これまで米国東海岸ではそんなに雨がたくさん降ることがなかったから、単純に、大雨に対応するインフラ設備が不十分、ということなのでしょう。
要するに、雨自体は、日本人の感覚ではたいしたことないのに、インフラが弱いので災害につながりやすいのです。
でも、それでも、まったく何もやってこなかったということではありません。
2012年の時点では、そのくらいインフラが弱かったんです。
しかし、今回、すでにお伝えしたように観測史上最多記録を更新する、つまり、サンディの時よりもずっと多い雨が降っても、ニューヨークの地下鉄はほぼ全て平常運転してましたし、もちろん、水没して復旧に今後何年もかかるような駅は出てきておりません。
一応、それなりに大雨に備えてインフラ整備を進めている、ということなのでしょう。
地球規模の気候変動は、世界中でいろいろ厄介な問題を引き起こしておりますが、ニューヨークや米国東海岸の各都市でこれまでにない大雨が降るようになって、日本の『首都圏外郭放水路』ほか、長年の台風や自然災害で鍛えられ高められてきた日本独自の治水施設や技術に注目が集まる…っていう、なかなか興味深い現象も起こりつつあるようです。
〔ご参考〕
【関連過去ログ】
※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。