前回に続きまして、ワシントン・スクエア・パーク(Washington Square Park)から。
『ニューヨークの夏』を感じられる名所の1つということで、前回は、この公園内にある噴水の様子をお届けしましたが、その噴水のすぐ近くにある木の幹に、蝉の抜け殻を見つけました。
こないだメルマガの方に書いてMag2Newsでも記事に
取り上げて頂いておりますが、蝉の抜け殻は、例えば、蝉が脱皮して空になったことを表す「空蝉(うつせみ)」とかあって、日本では季語にもなってます。
そう、「空蝉」。
その意味は、「今を生きている人」、「現世」など…なかなか深いメッセージ性がありまして、日本では、遠い昔から俳句や和歌に詠まれたり、人生の意義などについて考えさせられる存在だったりもします。
そう言えば、ごく最近も、日本の人気ポップ・バンド、Official髭男dismの最新アルバム『Editorial』(2021年8月18日発売)のリードトラック「アポトーシス」の歌詞の中に: さよならはいつしか
確実に近づく
落ち葉も空と向き合う蝉も
私達と同じ世界を同じ様に生きたの
というように、急に突然、「蝉(せみ)」が出てきますけど、なぜ、何の説明もなく「蝉」が出てくるのかと言いますと、その理由は、「蝉」(より厳密には「空蝉」)が、日本ならではの伝統的な季語、キーワードになっていて、「今を生きている人」、「今を生きること」、「現世」等などを意味し、人生の意義について改めて考えさせられる特別な単語だからでしょう。
あと、ちなみに、「アポトーシス」とは、医学・薬学用語で:
多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死(狭義にはその中の、カスパーゼに依存する型)のこと。
でも、そんな感覚は、日本人ならでは…。
英語にも、”Cicada”(蝉、シケーダ)や、”Cicada shell”(蝉の抜け殻、シケーダ・シェル)という言葉はありますが、四季折々の変化や、それに伴うわびさびなどを感じさせる季語みたいなものには、まったくなっておりません。
人気ポップ・バンドの最新曲の歌詞に、”Cicada”(蝉、シケーダ)や、”Cicada shell”(蝉の抜け殻、シケーダ・シェル)という言葉が、意味ありげに出てくることも、まず、ないでしょう。
そんなワケで、この蝉の抜け殻を見つけた時、 子どもみたいに驚いて、興奮ぎみに撮影して楽しかったのですが、すぐ近くのベンチに座っていたニューヨーカーたちはまったく興味を示しておらず、このアジア人は何を撮っているのだろう?と不思議に思っていたかもしれません:)
まぁ、とにかく、自分が日本人なんだなーとか、日本文化(今回は季語)って面白いなーとか、髭男って深いなー・・・などと改めて感じることができました。
蝉の抜け殻、「空蝉(うつせみ)」
日本では、季語にもなっておりまして「今を生きている人」、「現世」などを
意味しますちなみに、この土の中から出てきたようです夏の陽射し、蝉の声、気持ちよいです
【夏のNY、ワシントン・スクエア・パークの風景特集】
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