
コロナ禍の影響は、米国のいろいろな分野に及んでまして、投資の世界では、
SPAC(Special Purpose Acquisition Companyの略、直訳すると特別買収目的会社、但し、通常、「スパックス」、SPACs、つまり、複数形で呼ばれていて、単数形の「スパック」とは呼ばないそうです)が、とてつもなく大きな注目を集めています。
「SPACって何?」という方々のために簡単に説明いたしますと:
- SPACとは、企業の買収だけを目的としている上場会社=特別買収目的会社
- SPAC自体では事業を行わない
- 事業実態がないので「空箱」会社(“blank check” shell corp.)とも呼ばれる
- 期限内(24ヵ月間)に買収できない場合、「USD10.0(発行価格の下限)+金利-諸コスト(会社解散手続き費用等)」の金額がSPACの保有者に返還される
せっかくですので、投資家向け調査会社(CB Insights)のウェブサイト上で昨年2020年10月中旬に公開された:のイメージ図をもとに、以下、もう少し詳しくSPACについてご案内しますと:

さらに、もう少し、特に重要なポイントをまとめると:
<主なメリット>
- 通常のIPOより比較的早く簡単にIPOでき、資金調達できる
- 個人投資家も未公開株式(プライベートエクイティ)に少額で投資できる
<主なデメリット>
- SPACsに買収される企業は他の上場企業と比べ情報開示が不十分なことも多く、経営不振なのにSPACsによって上場して、株価が暴落する場合もある
・・・という感じ。
とにかく、このSPACs、コロナ禍の影響で先行き不透明になった上場前の企業が、比較的早く、簡単に上場できる方法として、米国で爆発的に増えているのです。
「どのくらい増えたのか」と言いますと、2020年中にナスダックに上場した企業は、下のグラフの通り、なんと通常のIPOよりもSPACsによるものの方が多かったとのこと。
その他、先程の投資家向け調査会社(CB Insights)のレポートから、以下、『なぜ、SPACなのか?』(Why a SPAC?)という疑問について、被買収企業、投資家、SPAC設立者の3つの視点で答えている情報まとめ:

中でも特に:
SPACの設立者は、大企業の元経営幹部であったり著名投資家であるなど一定のネームバリューがある人物が多い。「この人が買収先を探し出すのだからきっと上手くいくだろう」という期待から、買収するだけの会社(SPAC)にも関わらず、お金が集まりやすくなっている。
…というのは、重要な気がします。


最後にもう1つ、新しいトレンドや注目に値する経済現象などに関する解説動画に定評のあるCNBCが公開した、今年2021年1月30日付けの記事:
に埋め込まれております動画を、以下、ご参考まで。
この動画内で、米国では、SPACと単数形で表記されることはあっても、
実際に「スパックス」(SPACs)という複数形で
呼ばれているのを、何度も繰り返し、
様々な人々の発言からご確認頂けます
なお、この他のニュースなどでも
「スパック」とは、
誰も言っておりません
なので、「スパックス」と言うか
「スパック」と言ってるかで
その人の専門的な知識の有無とか、
英語の情報源をちゃんとチェックしてるのか
等々につきましても
簡単に見分けられちゃう…かも?
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