”although”, ”even though”, ”even if”の意味を持つフォーマルな言葉。主に、おかたい書き言葉として用いられ、日常会話で耳にすることはないが、逆に、今回のようにスピーチの出だしで用いられると、これから話す内容はフォーマルなものだと暗に意味する。通常、文頭に用いられることはなく、文中、短い節を伴う。語源は、 although it be ⇒ all it be ⇒ albeit という経過から生まれた語のため、スペル通りの発音ではないので注意。
さて、ご案内するにあたり、施設に入るための面倒を省きました(first, I've just spared you)。金属探知機だけでなく、おそらく最も長く、最も大掛かりなセキュリティ・チェックポイント(most substantial security checkpoint)などの面倒を。さて、ここで皆さんが見るものは、とても興味深いものです。これは、私たちが目にする典型的なサーバー・コンピューターの一部。このキャンパスのあらゆる建物の、あらゆる部屋にあります。このようなサーバー・コンピューターは、約50万台あり、それらで保存しているデータの量は、アメリカの議会図書館、5万館分よりも多いのです。このことからだけでも、よくお分かり頂けるでしょう。このインフラは、私たちが従事するほぼ全ての物事の基盤であることが、あなたの暮らし方(生き方、The way you live your life)、働き方、研究開発の方法は、この施設により前進できるのです。それらすべてが、この膨大な量のデータと、この膨大な量の計算能力に依存しているのです。ご覧の通り、とても多くのイノベーションが全てつながっています。しかし、実は、これでお話は終わりではありません。外に戻って、もう1つ本当に興味深いものをお見せしましょう。
<補足>
用法:spare somebody the trouble/difficulty/pain etc (of doing something)
意味:to prevent someone from having to experience something difficult or unpleasant
しかし、暗い側面もあります。なぜなら、コンピューティングがこの約束をすべて実現しても(even as computing creates all of this promise)、新たな危険も生じているからです。政府は、当然のことながら、私たちの業界に、何かをさせる(つまり、法律や規制などに従って何かを強制する)だけでなく、(それぞれの倫理観から)自発的に動くように期待し求めています。
(9:11) そして正当な理由で、文字通り、それは人々が最初に見た姿でした。なぜなら、1980年代に世界は、とある質問をしていたのです。それは映画から学んだ質問でした。その質問とは…「ゲームをしませんか?」("Shall we play a game?")
しかし、人々がこの質問に引き込まれたとき、未来の危険性(the breadth of what the future would bring)に、彼らの目は開かれたのです。映画を見てこの質問をした人々の中には、米国の大統領も含まれていました。1983年の金曜日の午後、ロナルド・レーガン大統領は、仕事を抱え、ヘリコプターでキャンプ・デイビッドに向かいました。特定の国家との国際問題を抱えて。しかし、まったく予想していなかったのに、その晩見た映画は、思いのほか大きな問題になりえるものでした。ご覧ください。
- 次の水曜日に、大きな会議がありました。ロシア人との核ミサイルといくつかの武器交渉についてです。その途中、大統領はインデックス・カードを置き、こう聞きました。「この映画 『ウォーゲーム』を見た人はいますか?」。さらに、統合参謀本部議長のジョン・ヴェッシー将軍に、こう聞きました。「将軍、このようなことが本当に起こるのか? 誰か、我々の最も安全なコンピューターをハッキングできるのか?」。すると、ヴェッシー将軍は「大統領、問題はあなたが思っているよりずっとひどい状況です」と答えたのです。これで、コンピューター・セキュリティ初の国家安保決定指令ができました。『ウォーゲーム』という映画は、種を植えたのです。問題を乗り越えるための気づきと行動につながる種を。(That movie planted a seed that led to an awareness and a program to get on top of things.)。
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私たちが生きているのは、多くの点で、科学がサイエンス・フィクション(SF映画)に追いついた時代です。そして、この事実は、興味深く重要な洞察を提供していると思います。それは、私たち全員が考えるべきものなのです。多くの点で、『ウォーゲーム』は、重要でした。エンジニアにコンピューターで何ができるかを示しただけでなく、それが示したのは、私たち全員と政府関係者が協力し、共に解決する必要のある問題だったからです。それは文字通り、国と世界を守る仕事の枠組みを変えました。(It literally changed the arc of work needed to protect the country and the world.)。
それは、私たちは常に学び続ける必要があり、次に何が起こるか想像し続ける必要があると再認識させます。そして、2021年には、私たちが学ぶべきは映画からではなく、現実の生活からになりました。実際、先月(2020年12月)、私たちが対処しなければならなかった攻撃は、非常に重要だと思います。( the attacks that we've had to address, I think are of critical importance.)。
ある意味、それは2つの重要な方法で語りかけてきます。1つは、1つの惑星に住む私たちを導く「道のルール」(倫理)とは何か?(First, what are the rules of the road that are gonna guide us all as a planet?)2つ目は、それが私たちに何を意味するのか?私たちの業界がやるべきことという観点から見て。( And second, what does it mean for us as an industry in terms of what need to do?)
私の見解では、「道のルール」(倫理)の問題は何よりも重要です。(The issues around the rules of the road in my view couldn't be more important.)なぜなら、ソーラーウィンズ攻撃で見たことから考えてみましょう。
そして、他にも新しい問題はあります。私たちが取り組むために協力する必要がある新しい問題です。昨年私たちが見た他のことについて考えてみてください。私たちは1世紀で最大のパンデミックを経験しておりますが、そのパンデミックを利用して一部の人々は何をしましたか?(what did some people use that pandemic to do? )病院などに、サイバー攻撃を仕掛けたのです... 公衆衛生部門、世界保健機関にも、最前線でコロナと戦う人々に対しても。このようなことも、平和の時代には(国際的なルールで)「使用禁止」にすべきです。戦争の兵器の使用と同じように。
この一連の問題は、世界各国の政府と協力して対応すべきであり、非政府組織とも共に対応すべきであることですが、まずは、私たちが声を使って政府に呼びかけなければなりません。より高い倫理観を各国政府に求めるのであれば、そのときは、あなたにお伺いしたい、「誰がするのですか?」と。(because if we don't use our voice to call on the governments of the world to hold to a higher standard, then I ask you this, "Who will?")
ですから、私たちが今回のCESを経て希望するのは、これを未来への行動を求める宣言の1つとして前進することです。(So I hope we'll come out of this CES and move forward with this as one of our Clarion calls for the future.)
<補足>
clarion call: a strongly expressed demand or request for action.
"he issued a clarion call to young people to join the Party"
Silo: [noun] a tower or pit on a farm used to store grain./ an underground chamber in which a guided missile is kept ready for firing./ a system, process, department, etc. that operates in isolation from others.
これをCESのような文脈に置くことは本当に興味深いと思います。CESのニュースの見出しは常に、業界として私たちが作成した新機能に関するものです。エキサイティングな製品イノベーションは、常にCESの心臓部(心)です。しかし、ますます、世界中の人々は(製品以上に)私たちを見ています。そして、彼らは私たちの「心」だけでなく、「魂」についても知りたがっているのです。(But increasingly, I think people around the world are looking at us. And they want to know not only about our heart, but about our soul.)
なぜなら1960年代は、単なる進歩の時代ではなく、優れた消費者向けテクノロジーだけでもなく、まったく異なる目標からはじまった進歩でした。とても大きな目標です。米国大統領が掲げた目標… 1962年に、ジョン・F・ケネディ大統領が掲げた目標です。それが可能だとはほとんど考えられなかった時代に、彼は宣言したのです、10年以内に米国は月に行く、と。そして、彼がやったのは、私たちが常にする、大きな目標を追求するときに必ずやることでした。私たちはまず、それを達成できると想像しなくてはなりません。(And he did what we always need to do whenever we pursue a big goal. We first have to imagine that we can achieve it. )彼は、1962年9月の有名な演説でそれをやりました。テキサス州のライス大学で。彼はいくつか有名な言葉を残しました。今日でも、インスピレーションを引き出す価値のある言葉です。当時の映像をご覧ください。
(23:03、歴史に残る名スピーチなので原文も) - We choose to go to the moon, we choose to go to the moon in this decade and do the other things, not because they are easy, but because they are hard. Because that goal will serve to organize and measure the best of our energies and skills. Because that challenges is one that we're willing to accept, one we are unwilling to postpone, and one we intend to win.
しかし、そのスピーチから得られる教訓と技術の進歩の旅(that journey)は、その野心の重要性以上に偉大なものだと思います。さらに重要なことが2つあります。2021年にバーチャル上で私たちがこうしてお会いする時だからこそ。1つ目は、人類がついに月を周回したとき、1968年12月でしたが、ひどい時期でした。それは困難な年でした。その年、米国では、路上で暴力が目撃されていただけでなく、2人の偉大な国家の指導者が暗殺されました。マーティン・ルーサー・キング牧師と(JFKの弟で、JFK政権の司法長官を務め、当時、大統領候補に立候補し選挙戦の最中だった)ロバート F.ケネディの暗殺です。地球上の日々が支配されていた時代でした、私たちの間に存在する、すべての分断によって。(It was a time when the days on planet earth were dominated by all of the divisions between us.)
(25:53) - 私たちはこの新しい海に出航しました。なぜなら、得られるべき新しい知識と、獲得される新しい権利があるからです。それらは人類の進歩のために得られ、使われなければなりません。宇宙科学にとって、核科学やすべての技術のように、それ自体の良心はありません。それが善悪の力になるかどうかは、人間次第なのです。( For space science, like nuclear science and all technology, has no conscience of its own. Whether it will become a force for good or ill depends on man.)