コロナ後にビジネス出張の半分、50％が消滅する⁉

「コロナ後にビジネス出張の半分、50％が消滅する⁉」という衝撃の予測がニュースに。

新型コロナウィルスの感染拡大予防のため、アメリカの企業では、爆発的なスピードでリモート会議が普及したため、ただ会って話すだけの会議のための出張（Business Travel）は50％も激減し、また、自宅でのリモート勤務が普及したことにより、オフィス勤務生活（Office Life）も30％減少する…等など、ビル・ゲイツさんによる予測。

スペイン語版の雑誌アントレプレナー（Entrepreneur）の記事が、人工知能（AI）翻訳され、11月18日、英語版の記事に：

• Bill Gates Predicts That 50% of Business Travel and 30% of Office Life Will Disappear in the Post-Covid-19 Era
  ビル・ゲイツは、ビジネス・トラベル（法人旅行、出張）の50％と会社生活の30％が、コロナ後の時代に消滅すると予測

えーと、まず、もし、この予測通り、コロナ後にビジネス出張の半分が消滅したら、旅行代理店、航空・鉄道、ホテルなどに関連する業界では、法人顧客からの売上が半減する可能性があるということ。

一般的に、法人顧客からの売上は収益性が高い傾向があるので、たぶん、関連業界には非常に大きな打撃になり、空前の大変化に発展するかも？

また、自宅でのリモート勤務によりオフィス勤務が30％減少したら、通勤人口も30％減。ラッシュ・アワーの混雑はかなり緩和されますが、オフィス周辺の各種ビジネスも売上30％減。特に、レストラン、カフェ、飲み屋（バー）などには、非常に大きな打撃。

当然、オフィス・ビルやリテール店舗などから成る商業用不動産市場にも、これまでには見られなかった大きな変化が生じるでしょう。

でも、実際、この予測が当たるかどうかは、現時点では、まったく分かりません。

その昔、AmazonによるEコマースが注目を集めはじめた頃には「実店舗はなくなる」という予測が出ましたが、ところが、実際には、実店舗には実店舗ならではの需要が高まり、もともと店舗を必要としなかったオンライン上で成長したEコマース企業が、続々と実店舗を出店する「リアルへの回帰」とか、「リアル店舗の逆襲」などと称されるトレンドが巻き起こり、アマゾン・ブックス（Amazon Books）やアマゾン４スター（Amazon 4-Star）などAmazonも実店舗を出す時代になり、2018年頃には、インターネット上でのEコマースが普及した結果、むしろ、若い世代ほど実店舗を訪れるようになりました。

NYで強まる「リアル」への回帰

同じように、リモート会議が普及し、頻繁に催され、広く一般的になった結果、これまでよりも仕事が効率化され、はかどって、ビジネス出張がこれまでの水準で維持されたり、むしろ、増える可能性だって、ぜんぜんありえるでしょう。

ただ、すべての企業において同様に、ということではないかも？

変化する状況に敏感に備え、対応する必要が、ますます高まっていくる気はします。なにしろ、変化のスピードが早いし、どんどん新しい状況、局面になっていきますので。

例えば、リモート革命関連だけでも、今回のコロナ禍でいろいろな分野で変化が巻き起こりつつありまして、最新テクノロジーを導入したり、新たに生じる需要を捉えるなどして、飛躍する企業やお店もあるワケです。

いくつかうちのブログで今年取り上げた事例を見てみても、例えば、ブルックリン、ワシントンD.C.などに新店舗をオープンし、スーパーでの販売もはじめるなど全米展開を進める『ルヴァン・ベーカリー』（Levain Bakery）とか、『ドーナツ・シアター体験』（doughnut theater experience）ができる世界最大店舗をタイムズ・スクエアにオープンしたクリスピー・クリーム（Krispy Kreme）とか、全国チェーンじゃないドーナツ専門店でも味と創業者の人間性で注目される『ザ・ドーナツ・プロジェクト』（The Doughnut Project）とか、住宅街で2号店をオープンした1915年創業のNYの老舗スーパー、『バターフィールド・マーケット』（Butterfield Market）、その他、業績絶好調のアメリカを代表する2大ホームセンターのホーム・デポ（Home Depot）とロウズ（Lowe's）の2社とか、爆発的増加中のオンライン運動クラスやリモート学習などなど、まぁ、ほんのごく一部の例ですけれど、このコロナ禍真っ最中だって、成長を続ける企業やお店は、必ず、何かしらありますからね。

あと、オフィス勤務が30％減少するというのは、単純に、在宅勤務が30％増加するということでもありますから、シンプルに、自宅で飲み食いするニーズ、需要がどっと増えるワケでして、近年、ここ10年弱ほどの間、アメリカでは、食事や食料品の宅配サービス、いわゆるミール（またはフード）デリバリー・サービスが、新しい産業・ビジネスとして注目を集めているという背景もあって、食事やグロッサリーなどの宅配サービス、デリバリー・サービスには、強力な追い風になっております。

近年、米国ではミール（フード）デリバリー・サービスが急成長注目のイノベイティブな産業・ビジネスに
＜実際に、試してみましたシリーズ＞■今、米国で注目のミール・デリバリー・サービス、フレッシュリー（Freshly）を試してみました [2020-04-12]■今、米国で注目のフード・デリバリー・サービス、Misfits Market Mischief Boxを試してみました [2020-05-07]■今、米国で注目のフード・デリバリー・サービス、Imperfect Foodsを試してみました [2020-05-22]

そんな感じで、「コロナ後にビジネス出張の半分、50％が消滅する⁉」などと決めつけて一方的に悲観するばかりじゃない方が、健康面でも精神衛生上も望ましいのではないでしょうか？

現時点では、コロナ後の世の中が、実際、どうなるのかは分かりませんけれど、できる限り、いろいろな成功事例から良いところを学ばせて頂くという感じの心の持ち方が、特に変化の激しくなりそうなこの数年、ますます重要になっていく気がします。

〔ご参考〕

・Bill Gates Predicts That 50% of Business Travel and 30% of Office Life Will Disappear in the Post-Covid-19 Era

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