来週月曜日8月24日から、ニューヨークの美術館など室内施設が再オープンへ

朗報です。8月14日、ついに、ニューヨーク州知事のクオモさんが、「新型コロナウィルスの感染拡大防止のため閉鎖していたニューヨーク市内の美術館、博物館、ギャラリー、ジム、ボーリング場などの室内施設の再開を、条件付き（入場できる人数を通常の25%に抑える、ソーシャル・ディスタンス維持、マスク着用など、基本はフェーズ４のルールに従う）で認める」と発表!!　

この背景には、ちゃんと：

The updated guidance comes as New York conducted more than 87,000 on Thursday and reported a coronavirus infection rate below 1% for the seventh straight day.
先週の木曜日、ニューヨークで8万7千人に実施されたPCR検査の結果、コロナウィルス感染率が7日連続で1%未満だとの報告があり、これまでのガイダンスを更新することにしました。

という科学的（医学的）根拠も。

そんなワケで、7月20日にフェーズ４入りしてからも見送られてきた美術館などの室内施設が、週明けの月曜日、8月24日から数カ月ぶり（多くは、3月中に閉鎖しているので5ヶ月ぶりとか？）で再オープンいたします。

地元ニューヨークでは、当然、これは大ニュースでございまして、関連報道いっぱい：

• Cuomo says NYC museums and bowling alleys can open, gym decision coming soon[AUG 14, 2020/ New York Daily News ]
• New York Gov. Cuomo says museums, bowling alleys to reopen in NYC, and gyms may be next [Aug 14, 2020/ CNBC]
• After Months-Long Closures, New York City Museums Can Reopen on August 24, Governor Says [Aug 14, 2020/ Art News]

なにやら、クオモさんからの公式発表の前から、メトロポリタン美術館は8月29日から、ホイットニー美術館も9月3日、その他、自然史博物館などなどが9月9日から、再オープンしたいとNY州政府などに水面下でかなりプレッシャーをかけていたようです。

まぁ、何ヶ月も閉鎖されたままでしたから、そりゃそうでしょう。

ただし、レストランなどの飲食店での室内での飲食は禁止のまま（店頭やバックヤードなどのアウトドア・ダイニングはOK、例えば、こんな感じでこれはこれで楽しいです ）。

また、すでに『ブロードウェイ精神を存続させる明るく楽しい方法』でお伝えしたとおりブロードウェイ・ミュージカルの劇場は、「少なくても1月3日まで休演予定」との正式発表が6月29日にありまして、残念ながら、その状況に変わりはありません。

さらに付け加えますと、美術館や博物館などの文化施設は再オープンできるようになったとしても、コロナの影響で数カ月間も閉鎖されていたため、実は、その多くがかつて経験したことのない水準の資金難（すでに人員削減したところは、人材難も）に陥っているそうなのです。

そこで、米国政府に対し、美術館などの非営利の文化施設で働く人々への経済支援策を求める活動も、いろいろ進められているみたい。

例えば、これもその１つ、Change.orgで、現在、署名を集めてる”Tell Congress to Save Culture”（議会に文化を守るよう伝える）：

ここの説明文に書かれている内容が、ひじょーに興味深いのです。特に、気になる部分だけ挙げても、例えば：

• It is projected that museums across the nation are collectively losing at least $33 million a day because of closures.
  閉鎖により、全米の美術館は1日に少なくとも3,300万ドル（1ドル＝110円換算で、約36億円）を失うと予測されます
• The American Alliance of Museums estimates that 30 percent of museums—mostly in small and rural communities—will not be able to re-open without swift financial support from the government.
  アメリカ博物館連合は、博物館の30％（主に小規模な田舎のコミュニティ）は、政府からの迅速な財政支援なしでは再開できないと推定されます
  
• American Alliance of Museums and Oxford Economics estimate that museums contribute $50 billion to the U.S. economy and $12 billion in tax revenue. Beyond that, museums support 726,000 jobs across the country,...
  美術館とオックスフォード・エコノミクスの米国同盟は、美術館は米国経済に500億ドル（約5兆5千億円）、税収に120億ドル（約1兆2千億円）も貢献していると推定し、さらに、美術館は全米で726,000もの職を生み出し・・・
  

なんと、アメリカでは、全米で美術館が閉鎖されると、たった1日で少なくても3,300万ドル、約36億円もの損失が出る⁉・・・っていうんですよー。さらに、アメリカの美術館は、その経済効果がアメリカ経済に対して500億ドル、約5兆5千億円もあって、全米で72万6千人分の職を支えているんですって。

あと、もう１つ興味深いのが、この”Tell Congress to Save Culture”（議会に文化を守るよう伝える）で使ってる写真。なにしろ美術館の存続に関わる署名集めの呼びかけですから、そこで使う写真には、めちゃめちゃ豊富な選択肢があると推察されますが、そのうえで、選んだのが、コレなんですね。

確かに、これこそ美術館の本質的な魅力かも？

〔ご参考〕

・”Tell Congress to Save Culture”（議会に文化を守るよう伝える）：Change.orgでの署名集め

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