
新型コロナウィルスの感染拡大予防のため、米国では、3月半ば以降、不要不急のお店が閉鎖した影響で、特に、ファッション関連ビジネス(ファッション・ブランド、ファッション・デザイナー)には、大打撃。
・・・のはずですが、6月11日、ルルレモン(Lululemon)は、2020年度第1四半期(2月~4月の3ヶ月、5/3締め)の比較的ポジティブな
業績結果を発表し:
Lululemon eyes Q4 for a return to revenue growth
ルルレモンが第4四半期には売上増で業績回復と予測
などとニュースに。
ルルレモンとは、現在の米国のアスレジャー・トレンドの生みの親と評されるチップ・ウィルソン(Chip Wilson)氏が、1998年、カナダのバンクーバーで創業し、2001年からはじめたヨガ・ウェア販売で飛躍した業界最大手ブランド。
さて、それで、このコロナ禍の中、なぜ、ルルレモンはそんな前向きな業績予測を出せるのかと言いますと:
- まず、第1四半期の純利益は、前年比で9,700万ドル(1ドル=110円換算で約101億円)から減少したものの、2,900万ドル(約32億円)の黒字。売上については、前年比17%減で、6億5,200万ドル(約717億円)。
- 次に、ルルレモンは、全世界に展開する300店舗を新型コロナウィルス感染拡大予防のため閉鎖してましたが(これが売上減の大きな要因)、6月末までに営業再開予定。第2四半期も、売上は前年比一桁%ほど低迷するかもしれないが、第4四半期には、前年比一桁%ほどの増加に転じると計画中(Total revenue in Q2 could still decline in the high-single digits, but the retailer is planning on a high-single digit increase in Q4)
- そして、このコロナ禍真っ最中の第1四半期、Eコマースでの売上は、前年比70%の大幅増(しかも、昨年も前年比35%増の好調でした)。また、この期は、売上全体の過半数を超える54%がEコマースでの売上になってるそうです。今の時代、いかにEコマースが重要なのかがよく分かる事例の1つとも言えるでしょう。
・・・といった理由が挙げられるでしょう。
「そんなに楽観視できるの?」と疑問に思われる方に、追加情報。このルルレモンによる業績発表の後日、6月16日に米国の商務省(The U.S. Commerce Department)が、まだ外出規制・自粛の真っ最中で小売店も閉鎖しまくっていたのにも関わらず、
5月の米国の小売の売上(=消費)が史上最高となる前月比+17.7%を記録し、早くも急回復を見せたと発表し、
ニュースになっているんですよー。
給付金効果?あるいは、何か他の要因?さらに、どの分野が、どの程度、前月比で伸びているかと言いますと:
- Clothing and accessories stores: +188%、なんと、一番伸びてるのが不要不急のファッション系!!
- Furniture stores: +89.7%
- Sports, music and other hobby stores: +88.2%、ここにアスレジャー系グッズも入るのでは?
- Electronics stores: +50.5%
- Department stores: +36.9%
- Restaurants and bars: +29.1%
- Gas stations: +12.8%
- Online retailers: +9%
- Big-box stores: +6%
- Grocery stores: +1.3%
こうした情報に加えまして、まだルルレモン自身も、関連報道なども、どこも何も指摘しておりませんが、ルルレモンが得意とする、運動着としてだけじゃなく部屋着や普段着としても着れるオシャレなアスレジャー系の服は、前回の『
米国では、新型コロナの影響で様々なオンライン運動クラスも爆増中』でお伝えしたとおり、
リモート・ワーク、リモート学習などが爆発的に普及し、自宅でオンライン運動クラスを受ける人々も爆増している(=つまり、消費市場が急速に拡大している)ことから、今後、ますます売れる可能性は十分に高いと思います。
現在、そして今後もしばらく業績が低迷しそうなファッション関連ビジネスのお仕事をされている方々には、ルルレモンを研究してみると、何か状況を改善するためのヒントや参考になることが見つかるかもしれませんね。
〔ルルレモン関連ログ〕
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