新型コロナの影響で、史上空前の不況がやってくる…はずだったんですけど、なにやらエコノミストや経済の専門家の方々の予測が史上空前に外れまくっておりまして、今、ウォール街ではちょっと騒ぎになってます。
先週金曜日、6月5日、ニューヨーク株式市場ダウ平均株価は、一時1000ドルを超える値上がりを見せ、終値は、前日比で829ドル16セント高い2万7110ドル98セントで、5日連続で値上がりし、ほぼ3か月ぶりに2万7000ドルを回復。また、IT関連銘柄の多い、ナスダックの株価指数は前日より2%以上値上がりし、9814.082で終え、取り引き時間中に一時、史上最高値を更新しました。
市場関係者は「失業率の改善は予想しない前向きな驚き、いわゆるポジティブ・サプライズで買い注文につながった。市場は、資金が潤沢な金融緩和に支えられ、さらに上昇する勢いだ」と話しています
とのこと。
この記事によりますと、ブルームバーグが調査した
「エコノミストがここまで見事に外したことはこれまでになく、なぜそのようなことが起きたか疑問」とのこと。どのくらい見事に外したかと言うと:
米労働省によると、5月の非農業部門雇用者数は前月比250万人増加。エコノミスト予想の中央値は750万人の減少だった。ブルームバーグが調査したエコノミスト78人の中で最も楽観的な予測でも80万人の減少が見込まれていた。失業率は1930年代の大恐慌以来の高水準である20%に接近すると予想されていたが、実際には13.3%に低下した。
…とのことで、経済データに強い(はずの)ブルームバーグが、日頃、参考にしている78人ものエコノミストの方々の予測の中央値が前月比「750万人の減少」だったのに、実際には、「250万人増加」ということで、要するに、プラマイで1,000万人も雇用情勢を見誤ってしまったのです!! 当然、失業率も悪化する予測に対し、真逆の改善。
予測を外した理由として、前例のない初めての状況だったとか、エコノミストのモデルは、中小企業への融資で雇用維持を助ける「給与保証プログラム(PPP)」など政府の救済策を十分に考慮に入れていなかった可能性もあるとか、一応、ちょこちょこっと書いてはありますけど、ここまで大幅に外しちゃうと、そんな程度の言い訳じゃ、誰も「そっか、それじゃ仕方ないよね」にはならないでしょう。
なお、1996年までさかのぼるブルームバーグのデータによると、これまでに単月の雇用者数予測が最も大きく外れたのは:
1万人増の予想に反し30万8000人減となった2003年2月の統計だった。
…とのこと。つまり、これまでは予測を外したとしても最大30万人程度の乖離だったので、今回の予測で、まさに桁違いの1,000万人もの乖離が生じちゃったということ、ものすごく大切な何かを大勢の専門家が見過ごしてしまったということが、いったい何を意味するのか?
ちゃんと考えた方が良さそうです。
まぁ、少なくても、ブルームバーグが選んだ78人ものエコノミストの方々がこれだけ外したってことは、たぶん、ここしばらくの経済予測はほとんど当てにならないでしょうし、あと、たぶん、ほとんど誰も理解していない何かしらの新しい成長要因(雇用維持要因?)が、そこらへんに潜んでいるかもしれません。
コロナの影響で、新しく生まれたものとか、大きく成長したものとか、これまでなかったライフスタイルとか、そのあたりについて、改めてしっかりと考えてみるべきかも?
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