今やニューヨーク名物の1つ、
トリスタン・イートン(Tristan Eaton)さんの街角アート作品。
前回、トリスタンさんの壁画はだんだん大きくなってるかも?などと指摘しましたが、今年、登場した最新作はめちゃめちゃ大きな超巨大壁画。作品名は、
“The Gilded Lady”(金色の淑女)。
つまり、めちゃめちゃ大きな金色の女性の絵、なんですよー:)
場所は、
27丁目と5番街の角にある地元ニューヨークの老舗不動産会社のKaufmanのビルの壁。そのKaufmanがスポンサーになって描かせたそうでして、なんと、
縦30メートル×横12メートルっていう超巨大サイズ!!
描かれているのは、19世紀末~20世紀初頭、モデル・女優としてニューヨークでご活躍された、イヴリン・ネズビット(Evelyn Nesbit)さん。
なお、その当時のアメリカは、経済・文化が大繁栄したゴールデン・エイジ時代。1929年のウォール街の暴落で、いったんその幕を閉じますが、特に、1920年代は『狂騒の20年代』(Roaring Twenties)と呼ばれるほど。
イヴリン・ネズビットさんはそんな時代のアメリカを象徴する女性。だから、作品名が
“The Gilded Lady”(金色の淑女)なのですね。あと、Kaufmanはその時代の真っ只中、
1910年代に創業し20年代に飛躍したのでこの壁画を描かせたのでしょう。都市再開発が進むNoMad地区でも、伝統や歴史を忘れないよというメッセージ?
イヴリン・さんについてさらに調べてみると、
「世界初のスーパーモデル」とか、「死ぬほどの美しさ」(The "lethal beauty")などと評された超美少女だったのだとか。へぇー。美人画画家チャールス・ギブソンさんのモデル、いわゆる
ギブソン・ガール(Gibson Girl)になったり、『赤毛のアン』のビジュアル・モデルとしても有名で、著者のL・M・モンゴメリさんは雑誌から切り抜いたイヴリンさんの写真を書き物机の上に貼っていたそうです。
今の時代でたとえるなら、誰? 日本なら? とか考えてみても楽しめますね。
でも、美し過ぎるのも、いろいろ大変。
なんと、このイヴリンさんをめぐるご主人と元恋人との三角関係がもつれにもつれ、ミュージカル上映中、大勢の人々の目前でご主人が元恋人を撃ち殺す?!っていう、映画とかドラマみたいな殺人事件が起こってしまったのです。しかも、その元恋人のスタンフォード・ホワイトさんは、マジソン・スクエア・ガーデンを手がけた高名な建築家で、ご主人のハリー・ソウさんも、鉄道や石炭関係で富豪になった資産家の息子。それで、イヴリンさんでしょ? 登場人物のキャラが濃いですよね。
そんなわけで、この事件は後に「引き裂かれた女」(ロード・シャブロル監督)をはじめ、繰り返し映画化されてるそうです。
ニューヨークの街角アートって、こんな感じでアメリカの歴史や文化の勉強になったり、学ぶことも多く、いろいろな意味でおもしろい。
場所は、27丁目と5番街の北西コーナーエンパイア・ステート・ビルも見えます
20世紀初頭、モデル・女優としてNYでご活躍したイヴリン・ネズビットさん「世界初のスーパーモデル」「死ぬほどの美しさ」(The "lethal beauty")などと評される超美少女縦30メートル×横12メートル
よく視ると、NoMadと描かれてます
作品名は、“The Gilded Lady”(金色の淑女) エンパイア・ステート・ビルと一緒に撮るとこんな感じ
(ご参考)
~イートンさんへのインタビュー、”The Gilded Lady”制作中の壁画写真なども。
(関連過去ロブ)
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