労働力の主力である「生産年齢人口」(15~64歳)が想定以上のペースでの減少が進んでまして、
このままでは国全体の生産力低下・国力の低下は避けられない・・・ということで、最近、日本で何かと話題の
「働き方改革」。
で、労働力不足解消には、以下の3つの対応策をよく耳にします:
- 働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)
- 出生率を上げて将来の働き手を増やす
- 労働生産性を上げる
さて、ここで1つ目と2つ目はシンプルにそのまま分かりやすいのでスルーして、気になるのは3つ目の「労働生産性を上げる」という対応策。結構、昔から、
日本は労働生産性が低い、G7の中では最低(
データを取得している1970年以降、G7の中でずーっと最下位?!)などと報じられているんですけど、
『働き方』とか『働くこと』について、労働生産性、経済合理性、効率性などのいわゆる西洋的な観点だけで、その良し悪しを考えると、何かもっと大切なことを見過ごしている気がします。
日本国内で生まれ育った日本人の皆さんにとっては、当たり前過ぎてなかなか気づき難いことなのかもしれませんが、海外から日本を訪れる外国人(あと、たぶん、海外生活の長い日本人)から見ると、
多くの日本人の方々の仕事に対する真面目で真剣な姿(特に、お互いの『信頼』関係や、絆や人情を重んじる姿)は、諸外国ではなかなか見られない驚くべきものとか、尊敬に値する素晴らしいものであったりすると思うのです。
真面目過ぎるばかりに、残念ながら日本には英語には存在しない「過労死」という言葉(英語でもそのまま”Karōshi”とか、“death from overwork”などと表現されます)があるなど負の部分もあると言えばありますが・・・。
まぁ、そういう日本の良いところ、悪いところ含めて『
「働くということの文化的な価値」について日本から西洋社会が学べること』(What the West Can Learn From Japan About the Cultural Value of Work)と題したなかなか興味深い記事が、日本で「働き方改革」への注目が今ほど高まるはるか以前の2016年12月13日付のNYタイムズに掲載されてましたので、一応、ご参考まで。
以下、関連資料などオマケです。
日本の総人口は2105年には4500万人に減少の予測
(内閣府「人口・経済・地域社会の将来像」)労働力人口(生産年齢人口)は2060年にはピーク時の半分に
(国立社会保障・人口問題研究所HP)日本の労働生産性は時間当たり46.0ドル(約4700円)、OECD加盟35カ国中20位
データを取得している1970年以降、G7の中でずーっと最下位?!
(労働生産性の国際比較 2017年版_プレス.pdf)パッと見た感じ良さげなNECの「働き方改革」〔ご参考〕
・
What the West Can Learn From Japan About the Cultural Value of Work[2016/12/13 - NY Times]
・
「働き方改革」の実現に向けて |厚生労働省
・
働き方改革実現会議 - 首相官邸
日本人は仕事に対して特別な意味を見出している・・・という分析、興味深いです。たぶん、この記者は気づいてないか、この記事では殆ど全く表現できてませんが、それはすなわち、多くの日本人がただ仕事を作業としてやっているのではなくって、誰かの『信頼』に応えるためとか、人と人との『絆』や『人情』というものが大きな力になっているということなのかなと思います。日本には石油のような資源はありませんが、日本人にはそれよりもずっと大切で価値のある『信頼』や『絆』や『人情』があったから、アジアの小さな島国から世界屈指の経済大国へと発展することができたのかな・・・(このような日本的な『信頼』や『絆』や『人情』などは他の国にはあまりない文化的なものであり、労働生産性という観点から見ると効率が悪くなることが多いので1970年以降、G7の中でずーっと最下位なのかも?)と感じるのです。
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