前回に続いて、ミッドタウンの五番街をお散歩・・・。1867年創業、150年を超える歴史を誇る老舗デパート、サックス・フィフス・アベニューのすぐ真横には、サックスと同じくらい長い歴史があるご覧のような大聖堂がそびえ立ってるんですよー。
久しぶりにセント・パトリック大聖堂(St. Patrick's Cathedral)へ。
1858年から建造がはじまり、南北戦争を挟んで1878年に完成したこの巨大な教会は、当時盛んだったゴシック建築の復興運動の影響を受け、とってもゴージャスな『ゴシック・リヴァイヴァル』(Gothic Revival)という建築様式に仕上がってます。
ゴシック建築とは、もともと12世紀~15世紀末頃、パリを中心とするフランスを発端に、ヨーロッパ各地に影響を与えた建築様式。
「文字を読めない人々にもキリスト教の素晴らしさや神様の力のすごさを伝えるために生まれた建築様式」と覚えておくと分かりやすいでしょう。だから、とにかく神々しいデザインを随所に取り入れ、意識的にゴージャスで神秘的な空間を作っているのです。
ゴシック建築で技術的に覚えておくと良いのが、柱から伸びて天井部分を支えるアーチを巧みに交差させ重さを分散し、天井を高くすることや壁がなくても大丈夫な構造を可能にした「リブ・ヴォールト」(Rib Vault)。リブ・ヴォールトで巨大なステンド・グラスも可能になり、教会内に陽の光もより入ってグッと明るくなりました。
文字を読めない人々にも聖書の内容を伝えるためゴシック建築の教会のステンド・グラスや壁や大きな扉などには、通常、キリスト教の聖書の内容が描かれてます。NYには、このセント・パトリックと並び、2大ゴシック建築様式と呼ばれる
セント・ジョン・デバイン大聖堂がありますが、その正面の扉もこの典型例として有名。天地創造から、ノアの箱舟とか主要なシーンが扉一面にずらりと紙芝居のように描かれてます。
その他、ゴシック建築の典型的なデザインによく挙げられるのが「尖頭アーチ」。
頂点部分が尖ったアーチは尖塔アーチと呼ばれ、ゴシック建築では多用されています。ゴシック建築が生まれる以前のロマネスク建築では、半円形状のアーチが使用されていましたが、尖ったデザインの方が、たぶん、神々しさや神秘性をよりいっそう感じられるということなのでしょうね。これは言葉で説明を聞くより実際に見た方がハッキリ分かる気がします。
とにかく、アメリカ文化の一端を強烈に体感できるスポットなのは間違いありません。しかも、NYの真ん中、ミッドタウンの五番街沿いという立地のため、この大聖堂の神々しさや神秘性をより際立って感じられることでしょう。
以下、ごく一部ですが教会内の様子などご参考まで。
典型的なリブ・ヴォールト典型的な尖塔アーチ
高い天井や巨大なステンド・グラスも可能に神々しさや神秘性を感じられる独特の空間とても落ち着きますキリスト教徒じゃない方でも訪れる価値アリ
動画もどうぞ〔ご参考〕
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https://saintpatrickscathedral.org/:公式
もともと文字を読めない人々にもキリスト教の素晴らしさや神様の力のすごさを伝えるために作られた空間だけありまして、英語が分からなくても独特の魅力をたっぷりと味わえるでしょう。
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