前回に続いて、米国小売業界最大の年次イベント「NRFリテールズ・ビッグ・ショー」のお話。
「これから作るのではなく、もうできてる」最新テクノロジーやイノベーションの展示が多かったのも今回のこのショーの特徴の1つ。例えば、
Apexのブースで見かけた『あたらしいロッカー』?! そう、実はアメリカでは、
ハイテク・ロッカーが躍進中なのです。
なぜなら、Eコマース王者のアマゾンが
『アマゾン・ロッカー』(Amazon Lockers)という新サービスを打ち出したから。
2011年10月、NYでロッカー配送システム(Locker Delivery System)が
スタート。また、2016年11月には、シカゴ大学のキャンパス内(University of Illinois at Chicago campus、略してUIC内)にアマゾン・プライム会員を対象にした無料の同日配送受取所( free same-day prime pickup facility)というハイテク・ロッカーいっぱいの施設を開いたと
ニュースに。
ロッカーを設置する場所の確保が課題のように思われましたが、
昨年2017年にWhole Foodsを買収して、あっさりクリア。現在、全米に展開するWhole Foods店内に『アマゾン・ロッカー』はどんどん設置され、その利便性が広く知られるようになると、自然に他店にも設置されるようになるわけです。
ちなみに、オレゴン州ポートランドにお住いの方の
ブログによると、2016年8月に『アマゾン・ロッカー』ができたとのこと。その最初の書き出しの一文が強烈で:
”Tired of thieves stealing packages off your porch?”
(あなたの玄関前のポーチからパッケージを盗む泥棒にうんざり?)
えぇー!!! そんなに泥棒多いの?とビックリ。
オレゴン州ポートランドは全米の中でも治安が良い地域として有名なんですけど、
治安が良いからこそ、一軒家にお住いの方が不在の場合、玄関前のポーチにそのまま配送物を置いていくことが一般的なようでして、そんな「治安が良いからこその慣習」につけこむ泥棒がそれを盗むようになり、新たな問題になってたみたいです。へぇー。
もともと不在時に配送物を置いていけないアパートなどの集合住宅が多いエリアや、単純に治安の悪いエリアでは、当然、『アマゾン・ロッカー』への需要は高いものの、一軒家の多い治安の良いエリアではどうだろう?・・・とか思ってたんですけど、
「治安が良いからこその慣習」につけこむ泥棒もいるんですね。そうなると、むしろ治安の良いエリア(=高額所得者が多く、配送物も高価なものが多いエリア)の方が『アマゾン・ロッカー』普及しそう。
あ、いつの間にか『アマゾン・ロッカー』特集みたいになっちゃいました(笑)。
アマゾンの他にも、もちろん『あたらしいロッカー』を活用したデリバリー・サービスを展開するEコマースや小売業者や飲食店(実際、このApexのブースには、すでに実用されているピザ屋向けの特殊なロッカーも展示されてました)は多々ありまして、今後、さらにこの手のハイテク・ロッカーの数や種類は増え、いろいろ進化していくことでしょう。
以下、ご参考まで。
『アマゾン・ロッカー』(Amazon Lockers)2017年7月、アパートなどの集合住宅向けに『ザ・ハブ』(The Hub)を開始
要するに、集合住宅内に『アマゾン・ロッカー』を設置するみたいApexブースに展示されたロッカーにも
オンライン・ピックアップ(Online Pickup)の文字いろいろな種類のロッカーがもうできていて、実用されてます
ピザ用ハイテク・ロッカーはLittle Caesars Pizzaで実用ハイテク・ロッカーの応用次第で無人店舗が作れますしかもハイテク・ロッカーなら24時間週7日の稼働も楽々〔ご参考〕
・
www.apexsupplychain.com:Apex Supply Chain Technologies公式
・
https://www.amazon.com/b/?node=6442600011:Amazon Lockers公式
・
https://thehub.amazon.com/#:The Hub公式
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未来の世界では、地域住民のためにこうしたハイテク・ロッカーを集積した特別な施設が、ショッピング・センターやスーパーの一角にあるのが当たり前になってるかもしれません。で、そうなるとロッカー内の配送物を取りに来る人々を対象にした何か(例えば、あたらしい自販機とか)新しいビジネスも、たぶん、生まれてくるでしょう。そういう意味では、ハイテク・ロッカーを展示してるブース(Apex以外にも多々ありました)は、特に未来を感じさせてくれた気がします。
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