

みんな大好き、イチゴ!!! アメリカで一番売れてるイチゴの生産者ブランドと言えば、『ドリスコル』(Driscoll)社ですが、そのドリスコルが、どのようにイチゴを作り直したのか?(
How Driscoll’s Reinvented the Strawberry)と題する興味深い大特集が、質の良い記事や文芸作品でお馴染みの雑誌ザ・ニューヨーカー(The New Yorker、8月21日号)に!!!

日本人の多くは「
アメリカで一番売れてるイチゴのブランド」が『ドリスコル』ってことすら初耳かもしれませんが、この特集記事によると、彼らが60億ドルほどあるアメリカのイチゴ市場の約3分の1をコントロールしてるのだとか。
例えば、オーガニック・イチゴ市場の60%、ブラック・ベリー市場の46%、ブルーベリー市場の14%、ラズベリーに関してはほぼ全てがドリスコル社ブランド!!!
あと、スーパーで見かけるイチゴは、たいてい透明のプラスチックパック(英語では、clamshellと言います)に入ってますけど、あの透明のプラスチックパックにイチゴを入れて売るという手法や、あの形の透明のプラスチックパック自体を生み出したのも、実は、ドリスコル社なんですって。

もっと言うと、アメリカで、今の『イチゴ』のイメージ、つまり、あの
赤く輝いた色やハート型のかたちや長距離輸送可能な堅さがイチゴだと決めたのは、ドリスコル社なのだとか。へぇー。すごい。
その他、この特集では、19世紀にはドリスコル社が世界21か国で生産し48か国で販売していたこと、イチゴの品種開発の歴史、「植物パテント法」(The Plant Patent Act、1930年)が制定された背景(エジソンが助力)、近年は最低賃金や長時間労働に関する法律が変わりコストが高まっていることや、異常気象や十分な労働者を確保できなくなってきたことから生産拠点のメキシコや中南米で「農地が短期間に激減」していること(2013年より30%減)等々、興味深い話題が山盛り。
中でも、生き残るた、めの品種改良競争が加熱し、今やイチゴ生産は
高度な科学と消費者の需要に応える生産システムが必須で、その本質は、シリコン・バレーのIT企業やP&Gなどと変わらない・・・という指摘は、要注目かも。

というのも、
近年、アメリカでは、『農業』が急速に進化してきた気がするんですよ。少なくても、話題は増えてる印象。
ここ1~2年、AI(人工知能)だ、VR(仮想現実)だ…と続々と新しいテクノロジーが注目を集めてますが、アメリカでは様々な新しいテクノロジーが様々な分野で進化、発展。『農業』にも新たな科学や発明がどんどん取り入れられているのでしょう。
例えば、最近、うちのブログで取り上げた情報だけでも、
米国史上初の商業用屋上グリーンハウス『ゴッサム・グリーン』、
都市農園ベンチャー企業『バウエリー』、水耕栽培ではなく水気耕栽培の事例として
『エアロファームス』の夢の野菜『ドリーム・グリーン』等々。生産する側だけでなく、消費する側においてもこれまでなかった新しい手法が取り入れられており、ついこないだ書いた「
全米No.1サラダ専門店「スイートグリーン」(Sweetgreen)がアメリカの飲食ビジネスを変える?!」のような展開にも。
で、たぶん、そういう空気感、雰囲気が漂っていたから、The New Yorkerに、このイチゴのドリスコルの大特集記事が掲載されたのかな?・・・とか思ったりして。
アメリカでイチゴと言えば、ドリスコル
おいしいです〔ご参考〕
・
How Driscoll’s Reinvented the Strawberry
興味深いトレンドですよね。この他にも、最近の関連ニュースで、NY生まれのサラダ専門チェーン店のFresh & Co.(マンハッタン内ではよく見かけます)が、Orient farmlandという農場を買収して、畑からお店へ野菜を直送するという報道(8月4日付)もちらほらと。
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