1987年にテキサス州オースティンで音楽祭としてはじまったサウス・バイ・サウスウエスト(South by Southwest、略してSXSW)は、今では
映画、通商、ベンチャー支援等々多彩な分野 のクリエイティブな人々が集まって、アイデアを共有し夢を叶える大規模イベントに発展。
SXSW公式インスタグラム とか見ると多種多様のユニークな催し物や人々が…。
そんなわけで、あらゆる米国メディアが関連ニュースを報じてるんですけど、日本ではどうかな?と調べてみたら、宣伝会議のAdverTimes(アドタイ)に『
#sxsw2017 注目キーワードは「ジャーナリズム」「ストーリーテリング」 』という記事が!! おー、さすが。実際に現地を訪れた方のレポートのようです。
SXSW公式サイトの方にも『新たなテクノロジーが、ストーリーテリングや臨場感あるエンターテインメントの扉を開いた』(
New technology has opened up exciting avenues for storytelling and immersive entertainment. )とか、『人々の世界の捉え方を再定義する』(
redefining the ways in which audiences experience their world. )のような重々しい紹介文つきの「
EXPERIENTIAL STORYTELLING 」(体験型ストーリーテリング)という特設コーナーがあるので、どうやら今年のSXSWで「ストーリーテリング」が注目キーワードの1つになってるのは間違いなさそうです。
ただし、前述のアドタイの記事の該当箇所を読んでも、たぶん、何が起こっているのか皆さんよく分からないと思います。以下の部分です:
今年増えた「ジャーナリズム」関連のセッションでは、”Fake News”に揺れるメディアと、それにどう対応するかが語られ、「ストーリーテリング」は、VR・ARといったテクノロジー、エンターテインメントやインフルエンサー、そしてマーケティングといった多岐にわたる領域における共通の課題として語られる。 昨年の米大統領選挙から続く”Fake News”絡みの話題から「ジャーナリズム」が注目キーワードというのは、ひじょーに分かりやすいんですけど、その後の「ストーリーテリング」の説明は、正直、「なぜストーリーテリングが重要なのか」の説明になってません。言葉の問題なのか、そもそも基礎情報(米社会動向や文化)を知らないからなのか分かりませんけど、現場で取材してこの記事を書いた方がよく理解できてないんだと思います。
でも、テクノロジーが進化するとストーリーテリングが重要になるのは、たぶん、間違いなさそうです。その理由は、このブログをずっとご愛読くださってる皆さんなら、もうお分かりでしょう。
ちょうど
1つ前のこのブログの記事 でも書いてますけど、テクノロジーが進化して、インターネット上のバーチャル空間で何でも買えちゃったり、何でも仮想体験できちゃう時代になればなるほど、むしろ逆に、リアルに実際の店舗での「体験」に対する人々のニーズは高まっていきまして、そしてその延長戦上で、どのような「体験」ができるのかとか、どのような「体験」をできたのかといった「物語」を上手に語れる能力、つまり、ストーリーテリングの能力が、今後、多種多様の業界で重要になっていく…という仕組みです。
長くなったのでポイントだけ挙げておきますが、実は、すでにニューヨークでは、ストーリーテリングを学べる講座の受講料やストーリーテリングのショー(スタンドアップ・コメディではなく物語をきかせるショー)のチケットが人気で高騰するという新たな現象も!!
今年1月、そうした新たな現象やトレンドの動向も含め、地元経済紙のCrainsがストーリーテリングがブームになりつつあるという主旨の記事(
Storytelling companies find that talk doesn't have to be cheap )を報じていたりもするんですよ。
あと、たぶん、個人的には、こういう時代背景があったからこそ、
昨年9月から始まったアメリカのドラマの新シーズンで、断トツのナンバー1との評判のNBCの『ディス・イズ・アス』(This is us) のような、神がかったストーリーテリングで超感動的なドラマも生まれたんじゃないかなーって思います。
そうそう、今夜はその『ディス・イズ・アス』(This is us)のファースト・シーズン最終回。今から泣く準備できていますよー。じゃ、最後はその『ディス・イズ・アス』のFinale is Coming!動画で。
VIDEO
This Is Us - The This Is Us Finale is Coming! (Digital Exclusive)
〔ご参考〕
・https://www.sxsw.com/conference/experiential-storytelling/ :SXSW
・Storytelling companies find that talk doesn't have to be cheap [January 22, 2017/ CrainsNY]
2015~2016年にかけて、ブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』(Hamilton)が、異例続きの歴史的大ブレイク となり、NY市の子ども達や学校の先生を勇気づけ 、トニー賞13部門で16ノミネートという驚愕の新記録樹立 していった一連の出来事も、よくよく考えてみると、まさに優れたストーリーテリングによってもたらされたと言える気がします。そういう時代になってきたということなのでしょう。
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