6月23日、国民投票の結果、
離脱派52%、残留派48%の僅差で離脱派が過半数の票を獲得し、大方の予測に反してイギリスのEU離脱が決定。歴史的大びっくりニュースに。株や為替にも影響が。この背景には、移民の増加問題(EUに入ってると人の移動が自由なので出入国管理を厳格にできないという問題も)、経済、社会保障・福祉、格差の拡大など様々な要因が複雑に絡み合ってるとか、いろんな分析が錯綜中・・・。
また、YouGov調査によると
18〜24歳の75%は残留に投票したとか、残留派の多い
ロンドンや
スコットランドでEU残留のためイギリスから独立しようという動きも。
どうやら世代や地域によって残留・離脱の考え方に、かーなり大きな隔たりがあるみたいでして、各種メディアの伝える現地の状況も、取材先の世代や地域によってぜんぜんまったく違った内容に・・・。正直、ワケのわからない状況になってます。これじゃぁ、事前の予測が外れるのも仕方ないのかも。
例えば、
「6月23日をこの国の独立記念日として歴史に刻みましょう!」などと勝利宣言する様子が世界的に報じられているイギリス独立党(UK Independence Party、略してUKIP)党首のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)さんとかその支持者の方々と、残留派の方々とではぜんぜんまったく違う反応。
じゃ、ファラージさんは、ずっと支持されてきたのかっていうと、そうでもないんです。
実は、昨年の選挙では、選挙区の住民宅を自ら個別訪問する、いわゆる
ドブ板選挙までやってたのに落選し、UKIP党首をいったん辞任すると表明。でも、党内からの引止めにあったということで党首に復帰し、この復帰劇に対して自作自演じゃないの?と批判する
報道も。自分の選挙区での選挙にすら負けていた人物が、わずか1年後、まさかイギリスのEU離脱を決める選挙で勝利宣言するなんて、ねぇ?
で、ふと思ったんですけど、今回の結果、その移民問題ほか複雑に絡み合ってる様々な要因があーだ、こーだっていう前に
「投票が残留と離脱の2択だけだったこと」にも問題があったんじゃないでしょうか?
投票日前の時点では「なんだかんだ言っても、残留しそうだね」って空気に大分なってたようですので、本気でEU離脱したいと思ってないけど現状に不満を持っていたり、深く考えずに離脱派のポピュリズムに乗った方々が、EU離脱へ投じた可能性も、結構、あると思うんです。2択しかないと、こういう現象はよく起こるでしょう。
実際、そうだったと
後悔してる人も多く、たったの2日で、こんなことになるなら残留に投票するから、
もう一回、国民投票やって欲しいという請願も270万件も寄せられてます。離脱と残留の差は130万票ほどですが、直後にその倍以上の人が再投票を希望してるってことは、もし再投票すれば、十分、ひっくり返せそう。
でも、バカバカしい話ですよね。
だったら、最初からこの手の重要なテーマについての国民投票では、選択肢を2択じゃなくて4択以上にした方が、国民の声をより正確に反映できて、短絡的なポピュリズムに左右されることも多少は防げて、より良い結果になるような気がします。
例えば:
- とにかく在留
- 今のキャメロン政権のやり方には不満だけど、残留
- 今のキャメロン政権は評価するけど、離脱
- とにかく離脱
とかだったら、こんな混乱は招いていなかったんじゃないのかな、と・・・。うーむ。
今の時代、いろいろな立場の人がいて、いろいろな主張や意見がある時代ですから、重要なテーマの国民投票をする際は、選択肢を賛否の2択から4つとか、それ以上に増やすくらいの改善策(しかもお金はほとんどかかりませんし)は、取り入れてみても良いような気がしますけど、いかがでしょう?
以下、国民投票直前の21日にロンドン市内のウェンブリー・アリーナで行われた討論会の様子をご参考まで。『朝まで生テレビ』のような激論になってますが、これだけ見ると残留派の方がかなり優勢な印象。
EU離脱派が勝っちゃった理由として、移民の増加問題、経済、社会保障・福祉、格差の拡大など複雑に絡み合ってる様々な要因について詳しく論じる報道が無数に飛び交ってますけれど、かえって混乱を招いてるだけで、何かが違う気がします。そもそも、現実社会は学校と違って分かりやすい1つの答えなんてありませんし。そんなに頭の賢い方々が大勢いるのなら、もうちょっと頭を使って、シンプルに、例えば、上述のように投票の際の選択肢を増やしてみるとか、根本的な意見集約の仕組みを改善していった方が、みんなが納得するより合理的な結果を得られる気がします。
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