先日『
今、アメリカの人工知能業界はまるで「カンブリア紀」 』とお伝えしましたが、その後もアメリカでは人工知能(artificial intelligence、略してAI)関連ニュースはますます大量に・・・。今度は、
ベンジャミン(Benjamin) というAIが作った脚本(Screenplay)をもとにした短編SF映画
『サンスプリング』(Sunspring ) がロンドンのSF映画祭(
SCI-FI-LONDON )で公開され、話題になっております。
ニューヨーク大で映画を学んだ
Oscar Sharp監督 と同大のAIリサーチャーの
Ross Goodwin さんが、90年代のSF映画の脚本をAIに分析させ作らせたのだとか。
日本でも、人工知能による応募もOKな短編小説の賞、「
星新一賞 」が2013年に新設され、「
きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ 」プロジェクトによる「
コンピュータが小説を書く日 」など、AIが書いた小説もすでに
ニュース になってますが、なんと、ト書きも含めた「脚本」をAIが作って、しかも、実際に映画化しちゃったのです。
その内容は、男性2人、女性1人の登場人物が、未来の宇宙船の中っぽい場所で、何か重大な意味ありげな雰囲気をかもし出しつつ会話してるんですけど、90年代のSF映画の脚本がもとになってるからなんでしょうかね、みんな、やたらに「あなたが言ってることを私は分からない」(I don't know what you are talking about.)のようなセリフを連発。
「どういう意味だ? なぜ?」や「何してるんだ?」と、誰一人として何も分かってないっぽい、かなりヘンテコな展開。謎解きどころか会話のオチもなく、唐突に女性キャラが「私はちょっと男の子なのよ」と言い出すハチャメチャぶり。笑ってしまいます。
なんとか監督さんが、男女の恋愛の三角関係を描いてるシーンとして演出して成立させてますけど、もとのセリフには一言も三角関係っぽい内容はありません。うーむ。AIに恋愛を語らせるのはまだ難しいけど、そこは人間がうまくフォローするって感じ?
あと、場面設定についても「彼は星の中に立ち、床に座っている」(He is standing in the stars and sitting on the floor. )などと、現実には絶対にありえない無茶苦茶な箇所があったりして、いろいろと演出に苦労したそうです。そういう意味では、人間のクリエイティビティを刺激する1つのツールとしては有益ということなのかも。
そんなわけで、SF短編映画というかシュールなコントとか、その場の思いつきで小さな子どもがお話してくれるかなりヘンテコで不思議な物語を映像化したもの・・・と思って見てみると、結構、楽しめそう?
以下、そのSF短編映画、Sunspringです。
VIDEO
Sunspring | A Sci-Fi Short Film Starring Thomas Middleditch〔ご参考〕
・
http://www.thereforefilms.com/sunspring.html :Sunspring公式
・
http://benjamin.wtf/ :人工知能のベンジャミン公式
ご覧のとおり、ほとんどコントのようなヘンテコな内容なので、ひどい と突っ込む報道もどんどん増えているところですが、一応、これでもまぁ、史上初の試みということもありまして、これはこれで私たちの文化の一部を映し出した鏡 かもなどと評価する声も出てます。
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