

この広い世の中には、多種多様、様々な主義・主張を掲げる人がいて、そんな人々が集まった企業や政党があって、政府や国家があり、集団の規模が大きくなればなるほど、過去からの流れを変えることは困難になっていく・・・などと思われがちですが、でも、実は、よくよく冷静に考えてみると「
一人一人の人間の強い思いと行動によって、私たちの未来は作られていく」のかもしれません。

大統領選の年であるアメリカでは、現在、共和党のトランプ旋風が吹き荒れているのは、皆さんもご存知のとおり。
民主党の現職大統領のオバマさんは、下手に目立てば、批判され、叩かれ、大統領選に利用される可能性も高い状況。
それにも関わらず、これまで不可能と言われていた現職のアメリカ大統領としての広島訪問を実現し、原爆慰霊碑への献花を行い、直前までないとか、あっても2分程度の軽めのものと予想されてたスピーチを、なんといきなり、
17分も!!! しかも、英語が一切分からない人が見ても伝わるくらい心をこめて披露し、そして、誰一人として予期してなかった冒頭の被爆者の森重昭さん(79)との抱擁シーン・・・。
この歴史的なシーンが実現した
背景を知ってる人ほど、その重さを感じていることでしょう。
被爆者の代表、坪井直さん(91)に
『一生懸命ともに歩いていきたいから、もう(任期が)終わったと言って遊んだらいけません』と言われて、オバマさん、笑顔見せましたが、今回の訪日であのような笑顔を見せたのは、このときだけかもしれません。
そして、森重昭さん。
自らも被爆者でありながら、あの日、被爆し亡くなられた12人の米軍捕虜の遺族の方々を、たった一人で40年以上もかけて探し出し、記念館に登録し、彼らのための慰霊碑まで立てたというお方。

しかも、森さんは英語が堪能ってわけでもなく、70年代まで広島の原爆で米兵が犠牲になっていたことは軍事機密でしたので、相手にされなかったり、何か裏があるのかと疑われたりもしながら・・・。
また、そんな森さんの存在を知ったアメリカ人のバリー・フレシェット(Barry Frechett)監督が、2014年2月に森さんに直接お会いし、その後、2年かけてドキュメンタリー映画「
Paper Lanterns 」を制作し、たまたま偶然、この春、公開してるんですよ。なんというタイミング。いや、偶然ではなくて、必然なのかもしれません。
そんなわけで、米
CNN、
PBSなどでは、森重昭さんを特集する報道も・・・。以下、ご参考まで。
歴史的なシーン
追記:日本人被爆者の方々の声
CNN: Hiroshima survivor:
Even former enemies deserve closure
PBS: How a Hiroshima survivor helped
remember 12 U.S. POWs killed by bomb
映画『Paper Lanterns』 Trailer
〔ご参考〕
・
www.paperlanternfilm.com:Paper Lanterns公式
たとえ戦争中でも、軍人ではない普通の市民を狙った攻撃は犯罪行為。どんな言い訳をしても正当化できないことで、だからこそ、これまで現職のアメリカ大統領が広島を訪れることはなく、今後もずっとないだろうと言われていたんです。また、もし実現しても、被爆者やそのご遺族の方々から、きっとその大統領は非難や罵倒をしこたま浴びせられるだろうって、日本以外の国の方々は程度の差こそあれだいたい皆そう思ってたようですが、この展開に・・・。
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