巨大な
ウサギさん、上を見上げる
巨人像と続けて、ニューヨークの街角で見かけたパブリック・アート作品をご紹介しましたが、今回は、高さ9mほどの巨大な
「ゴッホの耳」(Van Gogh's Ear)?! パブリック・アート作品の巨大化ブームは止まりませんね。アーティスト・デュオのElmgreen & Dragsetさんの作品で、6月3日までロックフェラー・センター中央部、5番街側にて期間限定展示中。
作品名の「ゴッホの耳」は見た目が耳っぽかったから・・・くらいの理由で、特にゴッホにこだわりはありません。但し、
『誰もがよく知るものを使って、人々のお決まりの想定や予定調和を打ち破る』というのがこの作品のテーマなのだとか。
実は、この作品、よく見てみると、誰もがよく知る既製品の小型のスイミング・プールを垂直に立てただけ。
なんだか、既製の男子用小便器にR. Muttとサインしただけっていう、20世紀美術に大きな影響を残したマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)の "Fountain"(1917)っぽい? 以前、NY最大のアートフェア、アーモリー・ショーで見かけた
"Fountain"のオマージュ作品をご紹介したことありましたね。
まぁ、とにかく、大都会ニューヨークの中心部にあるロックフェラー・センターに、突然プール?!という「意外性」を演出すること自体がこの作品の狙いなんですって。
だから、そのプールが普通の状態、つまり、水平ではなくて垂直に突っ立っていたりとか、めちゃめちゃ大勢の人々で賑わう場所に一人とか多くてもせいぜい数人でしか使えない小さなパーソナル・プールがポツーンとあるとか、展示場所と作品のギャップも含め「意外性」を際立たせる工夫があるらしいですけど、うーん。
意外性ですかぁ・・・、どうでしょう? プールの底のブルーはこの場所によく映えて素晴らしいものの、すでにデュシャンの "Fountain"っぽいとか連想して、むしろありがちなベタな印象の方が強い気しますけど。
以下、現場の様子をご参考まで。
お決まりの想定や予定調和を打ち破る狙い・・・なのだとか既製品の小型プールを立てただけ裏側はこんな感じ花壇に春のお花いーっぱい「ゴッホの耳」(Van Gogh's Ear)
〔ご参考〕・
www.rockefellercenter.com/whats-happening/2016/4/13/elmgreen-dragset-van-goghs-ear/:公式
Elmgreen & Dragsetさんは、それぞれデンマークとノルウェー出身で現在ドイツのベルリン在住とのことですが、ひょっとしてもしかするとニューヨークについてよくご存知ないのかもしれません。というのも、この場所にプールが垂直に立ってたくらいじゃ、ニューヨークで暮らしている方々は大して(というか、ぜんぜんまったく?)意外性なんて感じない気します。もっと凄いのが日常的にいくらでもありますし・・・。奇をてらうのではなく、こういう感じの作風なら、例えば『マルセル・デュシャンの "Fountain"(1917)の100年後』とか『便器がプールになっちゃった?!』みたいなコンセプトで膨らませた方が、もっと世界観とかコンテクストが広がってさらに面白いものができる気します。
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