春の到来とともに、街角のあちこちにパブリック･アート作品続々のニューヨーク。例えば、ココ、ロウワー・マンハッタンのブルックフィールド・プレイス（Brookfield Place）にも、ご覧のとおり、高さ最大12mもあるかーなり大きな白いウサギさんのアート作品が4/17～30まで登場中!! この巨大なうさぎさんは、 Amanda Parerさんのアート作品で、作品名は
"Intrude"（侵入）。一匹だけじゃなく何匹も展示されてまして、侵入され過ぎって感じに（笑）。
「うさぎ」と言えば、可愛い小動物の代表格ですが大きくなっても可愛いんですね。空気を入れて膨らます構造になっているため、触れちゃダメなんですけど、ムギュっとしたくなっちゃう子続出。チビッ子たちは大喜び。
春らしい巨大なパブリック・アート作品・・・と言えば、先日、セントラルパークの南東コーナー入口前に登場した
Isa Genzkenさんの"Two Orchids"（2本の蘭）をご紹介したばかりですが、皆さんもお気づきの通り、近年、ニューヨークの街角に出てくるパブリック・アート作品は巨大化する傾向に・・・。
このトレンドにつきましては、2014年にロックフェラー・センターに展示されてた
Jeff Koonsさんの"Split-Rocker"の時にも「ひょっとして、アート作品の巨大化ブーム?」と指摘しましたが、なぜこの手のパブリック・アート作品が巨大化する傾向にあるのか、いくつも事例を見比べているうちになんとなく理由が分かってきました。
その理由は、ずばり
「ソーシャル・メディアで話題になりやすいから」。
広告宣伝にかけるお金をセーブして、その分の予算でアーティストを支援しパブリック・アート作品を展示すると、Twitter、Instagram、Facebook他各種ソーシャル・メディアなどを通じインターネット上にその写真や動画が出回って、同じ予算で広告宣伝した場合よりも遥かに大きな広報効果が得られるようになってきたため。なにしろ今は、インターネットが普及し尽くしたソーシャル・メディア時代で、おまけに、もうだいたい皆、写真や動画を手軽に撮影できるスマートフォンを持ってますからね。
特に、家族で楽しめるパブリック・アート作品の場合、子ども連れがやってきて写真や動画を撮影する確率も高まりますが、
その作品に何か特別な魅力があったり、誰にでも分かりやすく驚くほど巨大で大きければ、子連れに限らず、より多くの方々が写真や動画を撮影してソーシャル・メディアで話題になりやすい・・・のかな、と。
以下、ほのぼのムードたっぷりの巨大うさぎアートの展示風景をご参考まで。
大きなうさぎさん、いっぱい
触っちゃダメ、でもムギュっとしたくなっちゃう子続出
他の場所にもうさぎさん
屋外にも!!
ヨットハーバー前
うさぎだらけ
思わず駆け寄る女の子
おっきいんです
Brookfield Placeの“Intrude” 〔ご参考〕
・
www.brookfieldplaceny.com/events/intrude：公式
【関連過去ログ】
・
アート作品の巨大化ブーム? ジェフ・クーンズさんのSplit-Rocker完成[2014-07-16]
誰でも無料で楽しめる上質なパブリック・アート作品は、市場調査データなど数字には表れない、消費者心理や社会の深層心理のようなものが色濃く反映されてることもかなり頻繁にありまして、日本から海外への事業拡大、あるいは海外から日本へ観光客やビジネス客を引き寄せようという日本人の方々が、海外の方々のニーズや期待を探る際などに大きな参考になることも、結構、多いと思います。あと、英語を勉強する方々にとりましても、英語の背景に潜む文化や価値観や社会現象など教科書に書かれてないけど、実はより重要な感覚を身に付けるうえで役立つことも多いでしょう。このブログの「アート＆デザイン」のコーナーには420本の記事がありますが、それをざーっと見てみるだけでもそのあたりの感覚がちょっと研ぎ澄まされるかもしれません。
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