
前回の続きで、『ブック・エキスポ・アメリカ』(Book Expo America)の会場から、興味深いブースを1つ。通路になってるホールの一角でたままた見かけのが、コレ。ケーブルTV局、C-SPAN2が出していた「ブックTV」(BOOKTV)、つまり、本、書籍をテーマにした米国のテレビ番組の出してるブース。へぇー。こんな番組あるんですね。奥の方をよく見ると、この場で番組収録もやってるようです。

現場にいた方にお話を聞いてみると、「ブックTV」は、1998年からもう20年近くも、
毎週土曜日朝8時から「48時間」?!、つまり、土日の間ずっとぶっ通しで放送してる番組!!! すごい。
うるう年とかで若干誤差あるっぽいですけど、
15周年記念特設サイトに書いてある「15年> 9,000人の著者> 40,000時間」から逆算すると1週あたり約51時間!!! もっと長いじゃん。
そんなワケで、この番組はアメリカでは本好きの方々はもちろん、出版業界や書店関係者、様々な書籍の著者やクリエイターの方々の間で、だいぶ有名なのだとか。
最初「毎週、毎週、よく48時間も書籍関連だけで番組作れるなー」とか思いましたが、よくよく考えてみると、本屋さんには人間が関わる全てのジャンルの本があるんですよね。
実際、本屋さんに行ってみると、あらゆる学問、比較的ベストセラーの多いビジネス本や自己啓発本などの類、宇宙や脳など最先端の科学から宗教や芸術などの本とか、ノンフィクションだけでなく、小説のコーナーだけ見てもめちゃめちゃ豊富。これなら、いくらでも番組作れるってことなのでしょう。
そう言えば、最近、日本でも、お笑いコンビ、ピースの又吉直樹さんが『文學界』2月号で初の中篇小説『火花』(230枚)で純文学デビューしたところ、文学作品としてのクオリティの高さが注目され、1933年の創刊以来『文學界』
初の増刷、三島由紀夫賞にもノミネートされ、異例の
大ヒット中等々大きな話題を呼んでますよね。

もし、日本に「ブックTV」のような番組があったら、たぶん、『文學界』編集者さんや、三島由紀夫賞関係者の方々など巻き込んだ又吉さんの『火花』スペシャル特番12時間!!(笑)とか、さらに、又吉さんに影響を与えた純文学の作品や作家さん等をテーマにした番組も作られていたかもしれません。

また、この「ブックTV」では、作品や作家さんおよびその関係者だけでなく、出版業界全体に関連する課題や新しいトレンドとか、ノンフィクション系の本で取り上げた社会問題などについての番組などもありまして、その手の番組は、興味深いアイデアを世の中に広めるために作られたNPO団体、
『TED』(Technology、Entertainment、Designの頭文字)の公演ビデオにも似たテイストに・・・。
しかも、今回の『ブック・エキスポ・アメリカ』内で開催されたパネルの映像とかも、その手の番組の1つとして公式サイト上で無料で視聴できるようになってるんですよー。スバラシイ。例えば、
Diversity in Publishingとか、
Women and Leadership in Publishingとか、
Innovation and Data等など。
ちょっと見て頂けるとすぐにお分かり頂けるかと思いますが、お話づくりのプロである本の作家さんや編集者の方々が集まって何かのテーマについて語るパネルは、総じてお話がおもしろいし、英語表現がキレイでお上手。まぁ、そりゃそうですよね。様々なテーマを取り扱ってますし、日本人にとっては、かなり良質な英語の教材にもなるかも? いろいろと興味深いです。

〔ご参考〕
・
http://www.c-span.org/series/?bookTv:公式
【ブック・エキスポ・アメリカ特集】
・
ブック・エキスポ・アメリカ(Book Expo America)へ・・・[2015-06-04]
・
本をテーマにした米国のテレビ番組「ブックTV」(BookTV)毎週末48時間放送中?![2015-06-05]
・
ディズニー・パブリッシングのブース @Book Expo America[2015-06-06]
・
絵本のキャラクター専門のぬいぐるみ屋さん Merry Makers[2015-06-07]
他にも、最近の日本の事例で、5月28日にテレビ朝日の人気トーク番組「アメトーーク!」が、漫画「キングダム」(集英社)を取り上げた「なぜハマる?キングダム芸人」を放送したら、「キングダム」完売店が続出した・・・とニュースになってたりしますが、なんだかんだ言っても、やっぱりテレビの影響力は大きく、そして、おもしろい本やマンガを読みたいと思っている人も多いということなのでしょうね。
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