まるで、ドラマのような逮捕劇。27日、米司法省は国際サッカー連盟(FIFA)の現役副会長2人を含む計14人を組織的不正などの罪で起訴し、スイス司法当局がチューリッヒでFIFA幹部7名逮捕との
ニュースが
世界中に。以前から、ゆすり、詐欺、収賄、マネーロンダリング(資金洗浄)等などお金に絡んだ数々の疑惑があったFIFAに、ついに司直のメス。でも、なぜ今? あと、なんでサッカーの盛んなヨーロッパや南米じゃなくて、アメリカの司法省が?!
たぶん、キー・パーソンの一人は、2012年の贈収賄スキャンダル後、信頼回復を狙ったFIFAが倫理委員会の調査リーダーに
抜擢したニューヨークの検事、マイケル・ガルシア(Michael Garcia)さん。
検事の活躍を描いた日本のドラマ「HERO」で例えると、木村拓哉さん演じる久利生検事のような方かも?
ガルシアさん、1年半以上かけ350頁もの調査レポートを作成したのにも関わらず、FIFAの悪モノたちの妨害工作にあい、当初公表されたのはたった42頁の要約のみ。しかも、その内容は「不完全で誤り」(incomplete and erroneous)だとレポート作ったガルシアさんご本人が批判するほどだったんですけど、FIFA側は「そんなの関係ねぇ」という対応・・・。とにかく、FIFA内部の腐敗ぶりは想像以上に酷かったのです。
まぁ、普通はこれで追求はおしまいになるところですが、今回は、ここから大逆転劇が繰り広げられました。FIFAの悪モノ達にやられちゃったガルシアさんを、ニューヨークの地検の同僚の検事や秘書官などの方々が励ましたり、支えたりしたのでしょうかね? 日本のドラマ「HERO」で例えると、八嶋智人さん演じる遠藤秘書官や、小日向文世さん演じる末次秘書官のような仲間が、「そんなのおかしいっすよー」とか「もう一回やってみましょうよー」とかパッパかけるシーンが、現実に起こったとか?
「それじゃぁ、FIFAの巨大組織犯罪に、NYの身内のコネクション使ってもう一回立ち向かってみる?」みたいな展開になったとしたら?
で、このニューヨークのコネクションが、嘘みたいにすごいんです。
現在、アメリカ合衆国の司法長官を勤めるLoretta Lynchさんは、司法長官になる直前までガルシアさんの所属する地検の隣の所轄の地検(the Eastern District of New York)にいた方。
さらに、アメリカの連邦捜査局、いわゆるFBIの今の長官は、ガルシアさんと同じ地検出身で直の先輩(笑)。
そんなわけで、ニューヨークの検察当局とFBIニューヨーク支局が協力し捜査を指揮して、今回の逮捕劇につながったとの
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事も・・・。でも、もしドラマや映画でこんなストーリー展開だったら、「話が出来すぎ」とか「そんなことあるわけないじゃん」って突っ込まれそうですよね。
まぁ、実際には、そこまでドラマチックな展開にはなってなくて、ガルシアさんがFIFAにやられちゃうより前の時点から、密かにこの捜査はニューヨークの検察当局とFBIニューヨーク支局によって進められていたそうですけど(ってことはガルシアさんはある意味、FIFA内部への潜入捜査だった?)、それでも十分、ドラマのような実話ですよねー。
・・・というわけで、冒頭の画像のとおり、今回の「FIFA幹部逮捕を実現したNYコネクション」を4コマ漫画風にまとめてみました。
〔ご参考〕
・
Why is the U.S. bringing down the hammer on FIFA?[CNN: May 27, 2015]
あと、米国内で何らかの犯罪行為(含、不正資金の入出金等など)に関われば、米国内にいない被疑者を国外で逮捕できるっていう法律があるため、米司法省が起訴したらスイスの司法当局が被疑者を逮捕できるそうです。FIFA幹部の悪モノは米国内でもいくつも犯罪を犯してまして、その具体的な内容もいろいろ報じられてますけど、そもそもワールドカップの放映権料を一番支払っている国はアメリカってことも考えあわせると、まぁ、遅かれ早かれ、当然、こうなったでしょうね。
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