アメリカ最大手の視聴率調査会社で市場調査会社のニールセン(nielsen)が、3月18日、『
THE MULTICULTURAL EDGE: RISING SUPER CONSUMERS』というレポートを公開。今後、アメリカでは、アフリカン・アメリカン、アジアン・アメリカン、ヒスパニック(南米系アメリカ人)などの多文化の「スーパー消費者」が、経済成長を牽引するという内容の
ニールセン初のレポート。その内容の一部を見てみると・・・。
多文化人口の世代別の比率を見てみると、70代や80歳以上では全体の2割ほどしかなく、まさにマイノリティ(少数派)でした。
ところが、若い世代になればなるほどその比率は高まり、近年、アメリカで大注目の20~30代のミレニアル世代(Millennial)になると43.8~44.5%にも達し、さらに0~9歳の次世代ではついに50.8%で過半数!!
当然、多文化人口の持つ購買力(Buying Power)も年々大きくなり、1990年に6,610億ドル(1ドル=100円換算でも66兆1000億円)だったのが、2014年には3兆4000億ドル(340兆円)へ拡大。
もはやアフリカン・アメリカン、アジアン・アメリカン、ヒスパニック(南米系アメリカ人)などの多文化人口は、マイノリティなどという存在ではなく、「スーパー消費者」(Super Consumers)になっていくとのこと。
そう言えば、ついこないだ最終回が放送され、記録的な
視聴者数や
ツイート数をたたき出した人気ミュージカル・ドラマ
「エンパイア」(Empire)も、アフリカン・アメリカンが主役。1月の放送開始から毎回視聴者数が増え続け、なんと過去3年間に放送されたFOXの番組の中で最多平均視聴者数を記録し、
FOXどころか米国TV業界全体すら変えるほどの影響との報道も・・・。
・・・というか、もしかすると、「エンパイア」の歴史的な大ヒットがあったから、ニールセンがこの多文化スーパー消費者の調査レポートを作成することになったのかも?
また、多文化スーパー消費者は、スマホでのインターネットの利用動向においても82%が利用しており、非多文化(=ヒスパニック系を除く白人のいわゆる普通のアメリカ人、含む欧州などの出身者)の70%を上回る結果に。
さらに細かく、ヒスパニック(南米系アメリカ人)、アフリカン・アメリカン、アジアン・アメリカンに細分化した調査結果も出てまして、それによるとアジアン・アメリカンが88%でトップ、次に86%のヒスパニック、そして、76%のアフリカン・アメリカン・・・になってます。76%のアフリカン・アメリカンでも、非多文化の70%を上回っている多文化スーパー消費者っていうのがポイントかな・・・と。
この調査レポートには、こうしたヒスパニック(南米系アメリカ人)、アフリカン・アメリカン、アジアン・アメリカンの多文化人口を細分化したデータも多々含まれてまして、最新のアメリカの消費市場動向や、今後のトレンドが垣間見れる興味深い内容になってます。以下、その一部データをご参考まで。
平均寿命、平均年齢、購買力を持つ年数の比較アジア系、アフリカ系、ヒスパニック毎の売れ筋商品ランキング
それぞれ特徴がはっきりと出ていて実に興味深いです。
アジア系でヌードルが売れてるのは、まぁ、分かりますが、その他、
写真用具、ビタミン、文房具や学校で使う品が入っていて勤勉なアジア系っぽい。
アフリカ系、ヒスパニック系では辛いソース、スパイス、ボトル入りの水、
クーラーボックスや氷など等がよく売れてるんですね。
ヒスパニック系の卵って何か理由あるのでしょうか?多文化人口が集積している地域で特によく売れる商品がある・・・
(この例は野菜と、乾燥穀物=豆や米など)
同じアメリカ国内でも地域によって、まったく反応・反響が異なる理由の1つかなと。
アジア系、アフリカ系、ヒスパニック毎のモバイル・アプリ利用動向比較
こんなところも文化の違いで差が出てくるんですね
非ヒスパニック系白人と多文化層の売れ筋(健康・美容品編)比較
白人はダイエット薬、痛み止め、一般薬・・・
多文化層は香水、避妊用品、男性用アメニティ(髭剃りなど)・・・
文化が違うと売れる健康・美容品まで大分違います〔ご参考〕
・
http://www.nielsen.com/us/en/insights/reports/2015/the-multicultural-edge-rising-super-consumers.html:ニールセン公式
この手の話題では、アジア系はオーガニックを好み、アフリカ系は自らのルーツを重んじ、ヒスパニック系は人との交流を優先するなど短絡的なステレオタイプのお話になりがちですが、このレポートではいろいろな調査に基づいたデータが示され有益。あと、じゃぁ、どうやったら多文化スーパー消費者の興味を引き寄せられるのかについての提言(kEY BUILDING BLOCkS FOR AN EFFECTIVE MULTICULTURAL STRATEGY)なども、あまり参考になるかどうかやや微妙ですけど、一応、まとまってます。
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