

このブログで頻繁にお伝えしてる通り、アートいっぱいのニューヨーク。世界中から集まった多種多様の文化や価値観を持つ、様々な人種や民族が集まるニューヨークでは、アートに限らず、様々な文化活動が盛ん。そんなNYの900を超える文化団体に、先月、NY市役所の担当部署(
NYC Culture)が、職員、役員、観客などのデモグラフィック調査を年内に実施すると発表。全米規模の
Cultural Data Projectの一環でもあるのだとか。

これ、非常に興味深いです。まず、興味深いのが、そもそもこれまでこの手の調査がなかったということ。でも、よくよく考えてみると、全てを把握するのはどうせたぶん無理ということ。
街角のグラフィティ・アートで活動する数々のアーティストさんとか、様々なイベント、例えば、今や世界的に影響力を持つ街角即興集団
Improv Everywhereも、文化団体の1つと言えばそうですが調査対象外でしょう。
ごく一部だけでも、何もデータがないよりまし・・・という感じ?
で、もう1つ興味深いのが、この調査を実施する理由を語る
Tom Finkelpearlさんのインタビュー内容。「多様性があることを犠牲の観点からネガティブに受け止めないで」とか、「みんな、つい自分と外見が似た団体やプログラムに興味を持ったり支持しがちで、文化団体によっては興味を持たれないところもあったりするから・・・」のようなことをお話されてます。へぇー。
近年、ニューヨークでは、日本の文化やポップカルチャーは大変な人気ぶりで、別に日本人が一切関与していない文化イベントとか、街角のお店で見かける様々な品々や、まったく関係のないジャンルの宣伝広告や、テレビ番組や映画などにもその影響は色濃く表れてまして、確かに逆に、それ以外の国々や地域の文化やポップカルチャーはそんなに大々的に注目されません。たぶん、何をやっても話題にならない文化団体の中には「多様性」(他のみんなと違うこと)を否定的に考えているところもあるのでしょう。で、そういう文化団体を支援するためにも、こういう調査をやってみるってことらしいです。
あとは、こういう調査を通じて、先々、NYの文化団体が地域にもたらす経済効果などを発表できるようにしたい・・・という狙いもあるのでしょう。Cultural Data Projectの公式サイト上には、以下のようなミシガン州の例も掲載されてます。
Creative State Michigan Report Reveals
Billions of Dollars Contributed to Michigan Economy〔ご参考〕
・
NYC Cultural Affairs Seeks Data on Arts Diversity[JANUARY 29, 2015: ArtInfo]
・
NYC Culture:公式
・
Cultural Data Project:公式、Newsページ
どういう団体が調査対象になるのか?とか、どん調査項目になるのか?などにもよりますが、コミックコンや、昨年新たにはじまったコミコンの開催期間にあわせて市内25箇所の会場で110個もの関連イベントを開催するスーパー・ウィークとかも、日本文化関連のイベントの1つにカウントされたりすると・・・、いや、ひょっとするとコミコン抜きでも、こうした調査を実施してみると、日本の文化やポップカルチャー関連の文化イベントのずば抜けた集客力や収益力が明らかにされるかもしれません。※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。「人気blogランキング」