アメリカでは毎年、1月第3月曜日はキング牧師のお誕生日(正確には1/15)をお祝いし、その功績を称える「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー」(Martin Luther King, Jr. Day、略してMLK Day)。彼が残した"
I have a dream"演説は、
日本の英語の教科書にも掲載されるほど有名ですのでご存知の方も多いでしょう。冒頭の写真の通り、ニューヨークでは、本屋さんの子どもの絵本コーナーにも様々なキング牧師の関連本がずらり。
キング牧師は、1954年以降、アメリカの人種差別、特にアフリカ系アメリカ人への「法的」差別撤廃を求めた公民権運動の指導者。1964年にはノーベル平和賞も受賞。
特筆すべきは、非暴力による活動。
昨年、ミズーリ州ファーガソンで黒人青年(コンビニ強盗犯)を白人警官が射殺した事件以降、アメリカでは人種差別問題が改めて注目されているという背景もありまして(・・・と言っても、もう大統領のオバマさんがアフリカ系アメリカ人ですけど)、今年のMLK Dayでは、
全米で大規模な行進が行われたり、NYでもキング牧師が残した「ゴールデン・ルール」を
デブラシオ市長が力説したなどと報じられてます。以下、その一部抜粋です。
“If you’re saying something vicious and vile to a police officer, you’re not making change, you’re not moving us forward.
「悪質で下劣な言葉を警察官に投げかけても、あなたは何も変えられませんし、あなたは私たちを前進させません。
You’re holding us back. Change the policies. Change the practices. Change the laws. But respect the people who protect us. Do unto others as you would have them do onto you, it's as simple as that.”
(それじゃむしろ)あなたは私たちを退化させるのです。(問題があるのなら警察の)方針を変えましょう。取り締まり方を変えましょう。法律を変えましょう。しかし、私たちを守って下さる人々に敬意を払いましょう。 自分がして欲しいと思うことを他人にもしてあげなさい。ただそれだけのことです。」
いかがでしょう? 改めてキング牧師の偉大さや、なぜアメリカで、毎年、MLK Dayを祝っているのかについても、なんとなくお分かり頂けたのではないでしょうか。
最後に、60年代のアメリカで公民権運動を象徴する歌として広まり、後に世界的に反戦運動・平和運動の歌として歌い継がれるようになった"We Shall Overcome"(Pete Seegerバージョン)をご参考まで。
最後の"We Shall Overcome"は非常に有名な曲でして、なにやら日本語の題名(いわゆる邦題)もあるんですけど、それが『勝利を我等に』とかいうんです。まぁ、それでも分からなくはないですけど、うーん。キング牧師の言動からすると、ここの"Overcome"は勝ち負けうんぬんより「みんなでこの課題を乗り越えよう」の「乗り越える」という意味合いの方が良いかも。
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