アメリカの大学生活についてご質問を頂戴しましたので、今日はちょっとアメリカの大学の特徴について書いてみます。色々と特徴はありますが、私が気づいた大きなポイントの1つは
「答えが決まっている問題が少ない」ということです。
授業の流れで先生が聞いてくる簡単な質問から、ミッドタームやファイナルなどの試験の問題まで、答えが決まってなかったりします。例えば、「なぜ、天然資源が殆どない日本のような国がこれほど経済大国になれたかのか?」とか、「与えられたテーマの中から1つを選んでエッセーを書きなさい」など。テキストにも答えの書いてないクイズ(小設問)も多いし、先生も毎回「答えはこうです」とは教えてくれません。というか、答えそのものは大きな問題じゃなかったりします。驚くべきことに、答えがあっていても論証に失敗すると大幅に減点され、答えが間違っていても論証が良いと高得点になったりします。
どうやら、
問題や現象の本質を見極め、答えのない問題に正しい『方向性』を見つけるための思考法がより重視されているようです。問題に対して、自分で「前提条件」を考え、それに基づく仮説を打ち出し、次にその「証拠」を分析しながら、結論を導き出す・・・。この一連の過程を論理的にまとめる能力が非常に重要になります。というか、実は
この思考の流れそのものが英文エッセーの基本的な構造だったりもします。
少なくても今までのところ、どこにも答えがない問題を相手にすることは私の性格に合っているみたいで、かなり楽しくて面白いです。ひょっとすると、「考えること」が好きな方ならすべての科目でAを取ることも簡単かもしれないと感じます。でも、「考えること」に慣れていないうちは相当苦労することを覚悟しておいた方が良いのかなとも思います。
そう言えば、日本の学校では教科書にも答えがのってない問題なんてほとんど取り扱うことありませんので、日本人留学生の場合、かなり厳しい状況になる可能性の方が高いかもしれません。日本から留学にいらっしゃる場合は、英語力だけじゃなくって、一刻も早くこの「考えること」を重視する教育スタンスに慣れるよう心がけると良い結果につながるはずです。
最後に、学校自体の厳しさはハンパじゃありません。基本的に出席はマスト。欠席が多かったりあまりに成績が悪すぎると退学処分になります。更に、留学生は退学処分になるとビザの関係上2週間以内に帰国しなくてはいけないので、精神的なプレッシャーは日本国内で学校に行くよりも自然と大きくなると思います。
どもどもぉ~♪そういえば、今度TOEFLでスピーキングが出題されるようになります。過去にライティングが追加されたのに続いて、スピーキング。理由は簡単で、ペーパーテストで英語の点が良くても、授業にまったくついてこれない留学生が多いからだそうです。そりゃそうですよね、答えがない問題が多いんだもん(笑)。TOEFLの改定は、文法や単語の暗記力がいくらあっても、考える力や論理展開力がないと通用しないというある種の問題提起。今日書いたこのポイントも含めて、今後、日本でもっとクローズアップされるかもしれません。
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