

最近、ニューヨークの街角に突如現れたYouTubeの広告。何があったのか?と驚いた方もいらっしゃると思いますが、これは、今年の「ニューフロント」(文末の後書き参照)にあわせて展開中のキャンペーン。YouTube上で大人気だけど実社会では知名度の低いYouTubeチャンネルのスターを宣伝しようという興味深い発想。今回はファッション、ビューティ(美容)、クッキングの3ジャンルに特化。

日本と違って米国では、ドラマやリアリティショーやニュースなど主な番組を、もう何年も前から、主要テレビ局各局の公式サイト上や彼らが出資して作った
Hulu上で、インターネットを通じて丸ごと視聴可能に。
さらにここ数年はNetflixやAmazonが本格的な独自番組制作を開始。2013年にはエミー賞で、Netflixのオリジナル・ドラマ
「ハウス・オブ・カーズ」が9部門にノミネートし、米国テレビ業界に激震を与えました。
しかし、そんな中、YouTube(っていうか親会社のGoogle)は
以前から「自社で番組を作らないし、テレビ局になる気はない」というスタンスを固持。YouTubeだけでなくGoogle全体の経営理念に基づき、これまで以上にYoutube向けのビデオを制作する映像クリエイターや出演者の方々を支援する姿勢を表してみた、ということのようです。
まぁ、確かに、NetflixやAmazonの動きを見てたら、YouTubeも独自番組作ってテレビ事業に参入するんじゃないの?と考えてる業界関係者も多いでしょうしね。

あと、実際に、みんなが独自に作ってるYouTubeチャンネルの中でも人気の高いものは、すでにテレビ局側と番組化や何らかの契約が締結されたり、テレビ局に買収されてるんですよー。
今年3月にもYouTubeチャンネルの
Maker Studiosが、米国4大ネットワーク局のABC系列の親会社でもあるディズニーに5億ドル(1ドル=100円換算で500億円)で買収され
ニュースに。また、所定の条件をクリアすれば、買収額は約10億ドルにもアップするのだとか。しかも、
それでもお買い得という報道も。
つまり、Google(YouTube)が目指すのは、新たな人気コンテンツを求めるテレビ局、自分が好きなように作れる独自番組を手軽に配信できる番組制作者、ニッチなジャンルの番組でも豊富に楽しめる視聴者、すべての関係者に恩恵のある有益でハッピーなサービス。
それをカタチにしてみたのが、今、ニューヨーク中で見かけるYouTubeの広告。以下、ニューヨーク中に溢れかえるその広告をご参考まで。
地下鉄の車内に
しかも車内中
車内どころか電車の車体にも
YouTube
いろんなバリエーションあります
すごいインパクト
もちろん駅構内にも
あちこちにいっぱい
Googleの経営理念を具現化したもの・・・とも考えられます〔関連報道〕
・
YouTube Tunes Up Its Ad Pitch[Recode: May 1, 2014]
・
YouTube Wants To Be More Than Just "Internet Famous"—Here's How[ReadWrite: May 08, 2014]
・
YouTube’s Big Plan to Turn Its Stars Into Real Celebrities[Wired]
・
2014 TV Upfront and Digital NewFront Calendar[AdAge]
米国テレビ業界では、毎年4~5月にかけて「アップフロント」(Upfront)と呼ばれる秋シーズン新番組の広告枠の前売りイベントが開催され、3年前くらいからそのインターネット・メディア向けの「(デジタル)ニューフロント」(Digital NewFront)もはじまってます。
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