

今年も3月6日~9日まで、ニューヨーク最大のアートのイベント、「アーモリー・ショー」(
The Armory Show)が開催されました。このイベントは、毎年3月に開催される世界的に有名な近代アートの大美術展覧会。
報道によると、「美術品の価格は過去10年間に高騰し、上昇率は米国株や金、高級ワインを上回っているため、富裕層の買い手の美術品需要が増えている」とのこと・・・。あのリーマンショックが嘘のようですね。

そんな背景から、この「アーモリー・ショー」もさぞかし盛り上がっているのかと思いきや、どうやら業界を牽引する大手のギャラリーは、このチャンスにニューヨーク市内で開催される別のイベント(ADAA主催の
アートショーとか)に出展するように、業界の状況が少し変わってきてるみたい?
昨年からペース・ギャラリー(
Pace Gallery)、今年からガゴシアン・ギャラリー(
Gagosian Gallery)など、ニューヨークを代表する大手ギャラリーがこの「アーモリー・ショー」から撤退。
その代わりもう少し中~小規模(と言っても、ちゃんとした実績がないとこのショーには出展できません)のギャラリーが増えているようでして、展示されているアート作品も、制作するのに資金力が必要な大きなものは減り、シリーズ化されたり、まとめて一つの作品になる小型作品が主流という感じ。また、サイズが小さくなってもインパクトを強くするためなのか、色使いや作品構成にいろいろ工夫をこらし、カラフルで複雑(文字を織り交ぜるものとか)な作品も以前よりかなり増えている気がします。

それから今回の「アーモリー・ショー」には、「
FOCUS: CHINA」と題して、まだ国際的に知られていない中国の若手アーティストの作品(その多くはアメリカ初上陸)をお披露目する特別なセクションが登場。
すでに国際的に有名な方々ではなく、まだ中国から世界へ出たことのない若手を中国のギャラリーの中国人キュレーターが厳選して連れてきたらしいんですけど、個人的な感想といたしましては、美大生の展覧会っぽいというか、どこかで見たことある作品を真似しただけ(そういう意味では中国らしいのかも?)というか、この中国セクションにはいくつもブースが出てましたが、足を止める人は極端に少ないように見えました。
何でもチャレンジするのは良いことですけど、欧米のアート界のコンテキストをちゃんと理解してる欧米人のキュレーターに選んでもらった方が、もう少しマシだったかも。以下、絵画や写真などの作品を中心に会場の様子をご参考まで。
小さなシリーズ作品をいくつも展示するブースが多め
こういう感じのものとか
こんな感じのものも
まとめて一つの作品という見せ方?
いまいちスベってる中国系ブース
カラフルで複雑な作品も多め
こんな感じとか
文字が入ってる作品も
これも
ほとんど文字っていう作品〔ご参考〕
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www.thearmoryshow.com:公式
〔関連ログ〕
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー 2014」造形編[2014-03-11]
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー 2014」の椅子[2014-03-11]
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NYアーモリー・ショーで一際印象的だったAtsushi Kaga(かがあつし)さんの作品群[2014-03-11]
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー」 The Armory Show(会場の雰囲気編)[2013-03-13]
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