

今や普通に英語になった「アベノミクス」(Abenomics)。第2次安倍内閣が掲げる一連の経済政策で、安倍さんのAbeと経済のEconomicsから成る造語ですけど、ロイターの記事(4/10付上図)に、"
Abenomics' kimono effect"(アベノミクスの着物効果)なんてタイトルまで。奥さんに着物と帯をプレゼントした富裕層のエピソードからはじまる内容。なんかもう、和風ですね。

先日、黒田日銀新総裁が打ち出した金融緩和策も合わせて、今のところ、アベノミクスは国際的に
高く評価されています。
デフレ経済下では企業の収益は年々縮小し、新事業や新規ビジネスへまわす資金も自然に減少し、
「未来への希望」が持ち難い世の中になってしまいますし、日本がそんな状況では世界経済にも悪影響が出ますから、アベノミクスは国際的にも大歓迎、注目も高まるということのようです。
・・・なので冒頭のロイターのような記事も増えるというわけですね。
さて、それで
この大胆な金融緩和策を本当に成功させるためにも、今後、日本の実体経済をちゃんと成長させようという話が本格化してくるはずですが、ここで多くの企業が直面する(と思われる)のが、日本の内需の問題。今年1月、
トヨタさんが過去最高の世界販売台数で世界一復活した際にもちょっと指摘してますが、トヨタさんほど優秀な人材も資金もあり、広報宣伝力や販売網も卓越した大企業でも、90年代以降、日本国内での販売台数は右肩下がりが続いているんです。
じゃぁ、なぜそうなるのか?
バブル崩壊やデフレの影響などいろいろ理由はありますが、ものすごく単純な話、実は、日本の人口は
「65歳未満人口」では1991年以降から減少がはじまってるんです(総人口が戦後初めて減少したのは2005年)。これはちょうどトヨタさんの国内販売台数の低迷がはじまった時期ともぴったり合致します。
つまり、お客さんが毎年年々減ってく環境で前年より多く売るってのは、いくらあのトヨタさんでも大変ってこと。まぁ、そりゃそうですよね。で、そのことに気づいたトヨタさんは、その後、海外販売に力をいれて見事に成長を拡大・・・というのは、上の「トヨタ販売台数の推移」グラフからも一目瞭然ですよね。
もちろん内需を高めるのは大事ですし、一人一人の購買力がアップすることは良いことです。またトヨタさんのように日本全国を市場としない地方の中小企業等ならまだまだ十分に日本国内で成長の余地はありますが、消費者人口(お客さん)が減少する中で・・・となると、売上げアップはやっぱり大変。普通に考えてみても、人口が増加し続けた戦後復興期のようにはなかなか上手くいかないでしょう。

・・・となると、たぶん、自然に、トヨタさんみたいな大企業に限らず海外で売上げを伸ばそうとか、実際に伸ばしたという日本の企業は増えるでしょう。
例えば、キティちゃんでお馴染みのサンリオさん。
これも今年2月、
うちのブログで取り上げてますが、近年、サンリオさんの『米州』での版権収入は急成長を続けてまして、「今や版権収入は連結売上高の4割。1桁台だった営業利益率は27%に高まった。」とのこと。その結果、「サンリオ、キティ版権収入好調で無借金に」とニュースになりました。サンリオさん全体の売上げでは国内外ともに前年同期比でマイナスですので、『米州』での成長が大きな支えになっていることが明らかです。
しかも、最近もご紹介した
フランスからのボカロジェンヌとか、
のどじまん ザ!ワールドなどの事例からもよくお分かり頂ける通り、近年、日本文化や日本のポップカルチャーは外国でも人気。さらにインターネット上のソーシャル・メディアの普及により、"
Hadouken Meme"のように広報予算を殆どかけなくても、爆発的にメッセージを欧米諸国(主にアメリカ)に広められる可能性も高まってきています。
今のところ順調なアベノミクス。金融緩和策だけに留まらず、これからいよいよ日本にとって大チャンス到来・・・っていう流れになっていったらいいなと思います。
黒田バズーカはバーナンキ・バズーカより大きい?!〔関連過去ログ〕
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トヨタ過去最高の世界販売台数で世界一復活 1975年からの国内外データを比較すると非常に興味深いです[2013-01-31]
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