最近、日本を伝える様々なYouTube動画が話題になってますが、そうした動画に大きな影響を与えてる(と思われる)映画があるんです。ちょうど10年前の2003年に公開された『ロスト・イン・トランスレーション』(
Lost in Translation )。なお2003年は、『キル・ビル』(
Kill Bill )、『ラストサムライ』(
The Last Samurai )も公開された日本にとって特別な年なので覚えておくと良いでしょう。
『ロスト・イン・トランスレーション』は、
輝くネオンに高層ビルといった近未来的な都市の中に、歴史や伝統が共存する日本ならではの魅力 を見事に映像化した、ソフィア・コッポラ監督(あのゴッドファーザーを作ったフランシス・コッポラ監督の娘)の半自伝的作品。
その後、外国人の目から見た日本(主に東京)の不思議な魅力を描くときのお手本になってる作品としても有名。
ストーリー内容は、サントリーのウィスキーのCM撮りのため訪日したが孤独を感じていた中年ハリウッド俳優、ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)と、同じホテルに滞在していた、多忙な写真家のジョンと結婚したばかりで一人で孤独を感じていた新妻、シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)の東京での出会いの物語・・・と言っても安っぽいラブ・ストーリーじゃありません。
一人ホテルにとり残され、旦那のジョンは自分よりも綺麗なモデルや女優に興味があると思い込み、早くも彼との将来を不安に感じていたシャーロット。
仕事では成功しているものの、結婚生活25年をこえ中高年男性ならではのミドルエイジ・クライシス(鬱病や不安症)を抱えていたボブ。
そんな二人の出会いと心の触れ合いを通じ、誰もが思わず共感してしまう、
夫婦(または男女)間、世代間、友人間における人間関係や相互理解の難しさと大切さ というテーマを、日本の東京を舞台に、この映画は描いているんです。
このテーマを際立たせるため、日本語シーンにあえて英語字幕をつけないとか、たまたまそこにいた一般の日本人とボブが普通に会話するシーンなど、ユニークな演出もいっぱい。
つまり、
タイトルの『ロスト・イン・トランスレーション』(=通訳を失った)ってのは、夫婦などの男女間、世代間、友人間における人間関係全般に対してのもの でして、アメリカ人が日本に来て言葉が通じないっていう薄っぺらな意味じゃないんです。お見事です。
で、この作品は、わずか400万ドルの低予算作品ながら、多くの映画批評家や映画ファンから大絶賛され、2003年のベスト作品との評判。多数の映画賞を総なめにし、アカデミー賞でも主要4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞)にノミネートされ脚本賞を受賞。すごい。日本に興味を持つ、特に有識層の外国人なら知らない方はいないほどの名作で、当然、その後の日本を描いた映像作品に多大な影響を与えることになった・・・というワケです。
以下、ご参考まで。
ロスト・イン・トランスレーションのシーン
VIDEO ロスト・イン・トランスレーションのトレーラー
【以下、日本を描いた映像作品】
VIDEO 世界的な人気を誇るロックバンド、The Killersの"Read My Mind"(2007)のPV
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慶応大の海外留学生向けに作った、日本誘致映像(ティム・ホワイト監督作品)
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